明豊高校卓球部 渡辺莉々子(3年) file.826
卓球
卓球女子 明豊 経験積み、自信をつける
全国選抜に向けて強化する3つのテーマ
・攻撃の成功率アップ
・パワフルな攻撃
・変化をつける
昨年12月に行われた全九州高校新人卓球大会で団体戦8位に入賞した明豊高校女子卓球部。準優勝して全国高校選抜大会への切符を手に入れた男子と異なり、最下位通過となった今大会ではさまざまな課題も見つかった。
松本香織監督は「圧倒的に経験値が足りない」と話す。卒業した3年生が主力だった前大会は準優勝し、勢いそのままに県高校総体で個人・団体ともに制し、全国高校総体に出場した。新チームとなり、ほとんどの1、2年生は実戦経験に乏しく、それが実力を発揮しきれない「メンタルの弱さ」につながっているという。今大会では上位チームと比べ実力が大きく劣っていたわけではない。負けた試合は全て接戦だったが、勝負どころで消極的になり“あと1本”に手が届かなかった。
メンタルの弱さは攻撃面にも影響する。ラリーではミスをしたくないという思いから、「確実に相手に返す」ことを優先。結果、チャンスボールを与えてしまい、失点につながることが多かった。ミスを恐れず、積極的に点を取りにいく姿勢を身に付けられるか、競った場面で冷静に対処し、実力を発揮できるか。勝利の鍵はメンタルの強化にあるといっても過言ではない。
現在は積極的なスタイルを目指し、攻撃の強化に力を入れている。「3球目攻撃の成功率を上げる」、「力強い、威力のある攻撃をする」、「攻撃に変化をつける」など確実に1本を取るために実践的な練習に取り組んでいる。真面目で一生懸命な選手が多い新チーム。課題は多いものの、反省と修正を繰り返しながら、着実に前へ進んでいる。
経験を積み、さらなる活躍が期待される
この選手に注目
新野奈月(1年)
2002年10月19日生まれ、158cm、明豊中学校出身
チームの主力として活躍するエース候補。守備型だが、技術力、攻撃力にも定評がある。団体8位に終わった全九州高校新人卓球大会を振り返り「あと1本が取れなかった。気持ちの弱い部分が出てしまった」と話すように、メンタルの弱さに不安があったが、仲間や先輩に刺激を受け、徐々に改善しつつある。
1月の全日本卓球選手権大会(ジュニアの部)のシングルスに出場し、2回戦で敗退したが好勝負を繰り広げたことで「やれる」という大きな自信も手に入れた。「中学の頃は人前に出たり、思いを伝えたりすることが苦手だった。今は前より意思を強く持てるようになった」と本人も成長を自覚している。
全国高校選抜大会の目標はベスト16以上。「競ったとき、強い気持ちで踏ん張って、チームの勝利に貢献したい。プレッシャーはあるけど、先輩や仲間と支えあって頑張りたい」と笑顔で決意を語る。自他共に認める負けず嫌い。全九州高校新人卓球大会で経験した悔しさを起爆剤に、1つでも上を目指す。
(甲斐理恵)