明豊高校卓球部 渡辺莉々子(3年) file.826
卓球
卓球男子 明豊 ベスト8より先はメンタルが重要
全国選抜に向けて強化する3つのテーマ
・ダブルス強化
・バックハンド強化
・メンタル強化
県内屈指の強豪校として、常に全国の舞台を見据える明豊高校男子卓球部。3年生が抜け、新体制となってもその強さは変わらない。昨年12月に行われた全九州高校新人卓球大会で団体戦2位となり、危なげなく全国高校選抜大会(3月26~28日、北九州市)出場を決めた。
新チームに突出した選手はいないが、個々の能力は総じて高い。絶対的エースを軸に戦った昨年と違い、今年は選手層の厚さを武器に総合力で勝負する。九州大会以降、県外遠征や強化試合を重ね、底上げも順調だ。藤本賢司総監督は「全国大会でベスト8以上にいける力がある」と自信を見せる。
全国で確実に勝利するには、技術の精度を高める必要がある。現在は、団体戦で重要なダブルスのサーブ、バックハンドの技術向上に力を注いでいる「決められた場所にサーブを打つダブルスでは、高さ、長さ、回転など繊細なコントロールが求められる。先手を打って相手の攻撃を封じることができなければ勝てない」(藤本総監督)。一般的には“つなぎ”のイメージがあるバックハンドで、いかに鋭く安定した球(決定打)を打てるかが勝敗を左右する大きなポイントになる。
技術にも増して重要なのがメンタル。藤本総監督は「だらしない生活が心に甘えや隙をつくる」と、日常生活の大切さを説く。あいさつをする、字をきれいに書く、テスト勉強をする…。選手たちは日々の生活を見直し、自分自身と向き合うことで強いメンタルを育み、大きな成長を遂げようとしている。
全国選抜大会まであと1カ月弱。練習が行われる体育館には熱気がこもり、選手一人ひとりから「全国で勝つ」という気迫が伝わってくる。
九州高校新人大会では団体準優勝となった
この選手に注目
渡辺龍介(2年)
2001年4月20日生まれ、157cm・52kg、明豊中学校出身
頼れるキャプテンであり、チームをけん引するエース。小柄だが全国でもトップクラスの反射神経、フットワークを誇り、スピードあるプレーで対戦相手を翻弄(ほんろう)する。4年ぶりに団体優勝した一昨年の全九州高校新人卓球大会にも出場しており、1年生の頃から大きな存在感を見せていた。
自分自身を「面倒くさがりのところがある」と話すが、卓球をはじめ、好きなことにはとことんのめり込む性格。また、「印象に残っている試合は昨年のインターハイ。1回戦負けの悔しさが忘れられない」と話すなど、負けず嫌いの一面もある。
練習に取り組む姿勢は真剣そのもの。「メンタル強化は日々の生活から」という総監督の言葉を胸に、あいさつをする、授業中は集中する、ゴミを拾うなど、日常生活でも自分を律している。
全国大会での目標はベスト8以上。「今までは先輩に頼っていた部分もあったが、今は自分がみんなのことを引っ張っていく立場。全員で高い意識を持って練習に取り組み、全国で活躍したい」と、覚悟を胸に全国へ臨む。
(甲斐理恵)