バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
バサジィ・フットサル シーズン総括 上々の変革1年目
フットサルFリーグを6位で終えたバサジィ大分。2部制となった今季の目標「Fリーグディビション1残留」を達成し、昨季の最下位(12位)から大きく順位を上げた。今季は上福元俊哉、森洸などFリーグで実績のある選手やブラジル人選手など、シーズン前の積極的な補強を敢行した。伊藤雅範監督はそれをうまくチーム力に還元し、大分は序盤から勢いのある戦いぶりを展開する。1巡目を終えて7勝1分3敗とスタートダッシュに成功した
昨季までボールを保持するポゼッションスタイルを目指してきたチームが、堅守速攻に生まれ変わる―。2013年から2015年までバサジィを率いた伊藤監督は、「走れない選手、球際で戦えない選手は使わない。シンプルに全員が1対1に勝てばチームとして勝てる」と理念を掲げて、大胆なモデルチェンジに着手した。
全員で相手の攻撃を跳ね返し、電光石火でゴールを決める。自陣ゴール前から数秒で相手ゴールへ。「堅守速攻」を合言葉に、選手たちはアグレッシブにプレーした。だが、前傾姿勢となるスタイルがかみ合ったときは分厚いアタックを繰り出したが、簡単に後方のスペースを突かれて失点を重ねる試合も少なくなかった。
昨季から大きくジャンプアップし6位で終えたバサジィ
総得点112はリーグ3位、総失点99は同8位。最前線に位置する選手に預けたパスが攻撃のスイッチとなり、パスが入る瞬間に2人目、3人目がサポートや裏に飛び出すシンプルな攻撃が功を奏し得点力は高まった。一方で、攻守のバランスが整えられずに失点は多かった。要因は一つではないが、コンディション不良などでGKがチームにフィットしなかった。伊藤監督が「フットサルはサッカーと違ってGKが相手と1対1になっても止めなければいけないが、ことごとく失点した」と話すように、存在感を示すはずの守護神が機能せず、固定できなかった。
シンプルでアグレッシブな戦いがハマると、上位相手にも互角の試合展開を見せることもあったが、対戦相手が大分を研究し、対策を練ってきた2巡目以降は安定した試合運びができたとは言えず、15節から3連敗を含む7試合未勝利を記録してしまうなど、低迷してしまう。
それでも伊藤監督は、「自分たちの美学を貫き、バサジィはこんなチームだと示したかった」と自分たちのスタイルを貫いた。負けた11試合のうち6試合は1点差負けが示すように、同点で勝点を分け合うことができた試合でも勝利を目指した結果、前がかりになったところで失点して負けた試合もあった。ただ、理想とするフットサルを実現すべく、最後まで信念を貫いたことでチームのスタイルは確立された。それをベースに今季の経験を糧にできれば、来季以降の展望は明るいものとなる。
チーム得点王(18点)の田村龍太郎
(柚野真也)