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トリニータ J1開幕直前特集①2019モデル、開幕戦はこう戦う!

トリニータ J1開幕直前特集①2019モデル、開幕戦はこう戦う!

 日本サッカー界のトップリーグ「J1」が22日、開幕する。6年ぶりに参戦する大分トリニータは23日、茨城県カシマサッカースタジアムでアジア王者の鹿島アントラーズと対戦する。“34分の1”とはいえ、やはり開幕戦の持つ重みは他の試合と異なる。ここでは開幕戦に向けて監督や中心選手の言葉を交えながら、いくつかの注目ポイントをあぶり出していく(3回続き)。

 

通算対戦成績(大分から見て、リーグ戦のみ)

2勝4分10敗

7連敗中

前回対戦は2017年 27節 大分1-3鹿島

 

 

浮かび上がってきた2019年モデル

チームコンセプトの浸透は問題なし

 

 1月25日から行われた鹿児島キャンプでは、片野坂知宏監督が「個々のプレーの特徴、チームの共通理解、戦術を合わせたい」と話していたように、9日間で三つの練習試合を組み、実戦で意図したサッカーがどれだけできるか、トライ&エラーを繰り返した。大分に戻ったチームは、落ち着いた雰囲気の中で練習を重ねる。トレーニングではまず、パスをつないでボールを保持し、失った瞬間の守備を意識させた。指揮官が3年間で築いたスタイルがベースとしてしっかりとあった。また、狭いスペースでのボールの動かし方、そこからの展開など、片野坂監督の狙いをすり込むような練習が繰り返し行われた。新加入のMF伊藤涼太郎は「ポジショニングなどが細かく、最初は戦術を理解するのは難しかったが、監督やコーチが丁寧に教えてくれた。今はパスで崩すコンビネーションが楽しい」と充実感を口にする。既存の選手とうまく融合し、攻撃のイメージが共有できている。

 

 今オフはメンバーの入れ替わりが激しく、チームコンセプトの浸透に時間を要するのではないかと懸念されていたが、選手たちからの不安は聞こえてこない。「大きなけが人もなく、全員でいい準備ができた。戦術も浸透し、ある程度戦えるところまできた。選手の組み合わせや関係性を考え、対戦相手に応じてベストメンバーを組みたい」と片野坂監督。チームマネジメントに定評のある指揮官は、練習中は選手に心拍計を着けさせて数値をチェックし、ミーティングでは練習や試合の映像を編集したビデオを使用。綿密なプランの下で、チームづくりは着々と進んだ。

 

新戦力がチームに溶け込み、練習の雰囲気は良い

開幕戦はこう戦う

“強気な攻撃”で流れを引き寄せろ

 

 今季のテーマのひとつは、いかに自分たちのスタイルを継続できるか。例えば、攻撃に関しては「弱気になってパスをつなぐのを諦めてはいけない」(MF松本怜)。今季もGKからパスをつなぎ、サイドを起点に相手の立ち位置や空いたスペースを見て、最終局面では2、3人が連動した動きでゴールを狙う。アジア王者との敵地での戦いでもそれは変わらない。

 

 鹿島の守備は固く、隙がない。最終ラインの主力が抜けても、鹿島には確固たるベースがある。「誰が出ても同じサッカーができる」と話すのは鹿島から移籍してきたDF三竿雄斗。選手の入れ替えがあっても、核となる選手をしっかり残し、育てているから崩れることはない。しかし、「実力は相手が上だが何が起こるかわからないのがサッカー。自分たちのサッカーをしたい」とDF鈴木義宜。相手を恐れて、パスをつながずに長いボールを蹴り込むようでは、昨季から積み上げてきたスタイルを捨てることになる。「我々の特徴は攻撃。得点できなければ勝点を得ることはできない」と片野坂監督が言うように、ゴールを奪うことを見据えた“強気な攻撃”でペースをつかみたい。

 

 ボールを保持する時間を長く保ち、自分たちからアクションを起こすことがポイントとなる。戦術を熟知するGK高木駿からパスをつなぎ、好調の松本のサイド攻撃を起点に、攻撃のアイデアが豊富なMF小塚和季や得点力の高いFW藤本憲明がうまく絡むのが理想形だ。

 

 好調を維持する松本怜

 

トリニータ J1開幕直前特集

指揮官インタビュー

今季初得点は誰だ!?

 

(柚野真也)