
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
須藤茂光監督体制2年目のシーズンがスタートした。昨季9位とジャンプアップしたヴェルスパ大分は、3月の開幕戦に向けて上位争いをするための足場固めを行う。始動日となった1月15日の練習では、まず円陣を組み、そこで須藤監督は具体的な戦術や目標について一切話さず、「今は準備期間。まずは良い体づくりを心掛けよう」とだけ選手たちに伝えた。
昨季終了後、須藤監督はコンディションを維持するためにベスト体重のプラスマイナス2㎏を保つように指示していた。「(選手の動きを見て)特別なやる気を感じた。チームはいい方向に向かっている」と目を細めた。初日の練習はランニングや体幹トレーニング、ボール回しなど軽めの内容だった。須藤監督からは、「パスは丁寧に」「素早く判断」といった指示が頻繁に出る。相手がパスを受けやすいように蹴る、止める、基本的なことだが監督はディテールにこだわる。「サッカーにおいて特別なことは存在しない。昨年をベースに、よりゴールに向かう、よりボールを奪いにいくことが今季のテーマ。そこを可能にするのがテクニックであり判断。全ては積み重ね」と、これまでのポゼッションサッカー(ボールを保持して試合の主導権を握る戦術)を変えることはない。
この姿勢が高い支持を得ている。新戦力の福元洋平はジュニアユースの頃からナショナルトレセンで須藤監督の指導を受けた経験がある。「明確で分かりやすい。やりたいサッカーのイメージができる」と話せば、今季2年目の本多琢人も「求められるのは判断。そこは今年も変わらない」と方向性がぶれずに共有できていると強調する。
今季は31人で戦い抜く
例年になく選手の入れ替わりが少なく、昨年1年間で固めた土台が残った。今季は「戦術の幅を広げたい」と須藤監督。経験も実績もある福元を筆頭に、各年代の日本代表に選ばれた瓜生昂勢や藤本拓臣ら実力のある選手が加入し、戦力アップに成功した。「どのポジションでも昨年以上の競争がある。どんな組み合わせが良いのか見極め、開幕に向けてメンバーを固めてしっかり勝てるチームをつくりたい」と話す。一方で、こんな言葉も口にした。「上にいくよりも、上位で戦い続けることの方が難しい」
戦力の充実と戦術浸透の深さから考えて、昨季と同等以上の成績を残す可能性は十分にある。しかし、少しでも隙を見せれば一気に下位に落ち込むのがJFLの怖さ。浮かれることなく「地に足をつけて、一戦一戦を戦う」(須藤監督)ことが、今季のヴェルスパ大分にとって最重要課題だろう。
今季2年目の指揮となる須藤茂光監督
(柚野真也)
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