大分上野丘高校ラグビー部 佐藤武信(3年) file.827
ラグビー
全国高校ラグビー大会 大分舞鶴 花園に照準を合わせた1年間の集大成
全国大会に向けて3つのテーマ
・フォワードのセットプレー
・けがからの回復
・意地を見せる
12月27日から花園ラグビー場(東大阪市)で行われる全国高校ラグビー大会。来年のワールドカップ開催を控えラグビー熱が高まる中、県予選で出場切符をつかんだ大分舞鶴は、大会2日目の28日に深谷高校(埼玉県代表)との対戦が決まっている。勝てばAシードの強豪、桐蔭学園高校(神奈川県代表)とぶつかることになる。
新チーム始動当初から、花園に照準を合わせて調整を続けてきた。堀尾大輔監督は、フルバックだった松島聡(3年)を司令塔のスタンドオフに抜擢し、彼を要としながらフォワード、バックスの組織力で勝てるチームに育てた。県の公式戦は無敗で1年を順調に駆け抜け、迎えたこの冬。12月10日に全国強豪の東福岡高校(福岡県代表)を招待して行われた強化試合(おおいたシンボルスポーツ創出事業)では、最終的な課題が見えてきたようだ。
堀尾監督が課題に挙げるのが、スクラムやラインアウトなどのセットプレー。特にラインアウトで1%でもボールの獲得率を上げたい。県予選以前にけが人が続き、その回復具合も鍵を握りそう。だが、主力選手を欠いて挑んだ県予選決勝、大分東明との接戦を制したことが揺るぎない「組織力」を物語っている。全国初戦でぶつかる深谷とは、今春の選抜ラグビー大会でも対戦し分がある。「うちと似たようなチーム」と分析をする堀尾監督は、強気で挑み「意地を見せたい」と語気を強めた。
この選手に注目
佐々木康成(3年)
ナンバーエイト、2001年1月10日、180cm、94kg
「組織力」を自負するチームだけに、どの選手も注目に値するのが絶対的王者・大分舞鶴。キャプテンでナンバーエイトの佐々木康成(3年)は、フィールドに立てばフォワードの要。普段は物静かながら主将としての責任感が強く、要所で声を大きく張り仲間を鼓舞する。
昨年に比べ体も大きくなったが、人としても一回り、二回り大きくなった。「花園では結果を出す」と言い切る。その彼がこの1年間で成長を感じるというのが、控えから主力チームに実力で上がってきた迫尾真聖(3年)。機動力があり、体を張れるフランカーだ。副キャプテンの松島は1年生の頃からセンスがあり向上心も強い。そんな先輩らの中で頭角を現しているのが、フランカーの江木畠悠加(1年)。後継チームにおける堀尾監督からの期待も大きい。
12月28日の全国大会初戦ぎりぎりまで、スタメンの調整は続く。今こそ、組織力が問われる。
(冨松智陽)