国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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嘉風関インタビュー 大好きな相撲を取り続ける
3年ぶりに泉都・別府市で開催された大相撲別府場所(冬巡業)。佐伯市出身の嘉風関は元気な姿を地元のファンに見せた。来年3月に37歳となるベテラン力士は「力が通用しなくなったときが引き際と思っているが、全く想像できない」と、来場所以降も動き回って相手を翻弄(ほんろう)し、勝機をつかむ取り口を続けると胸中を語った。
Q:地元での巡業はいかがですか?
A:地元ということで稽古場に行ったときは普段より拍手が多く、温かく迎えてくれました。
Q:今年を振り返って、どんな1年でしたか?
A:いろんなことを経験させてもらいました。特に13連敗した名古屋場所は、なかなかできる経験ではない。今後の取組に生かせるかどうかは分かりませんが、やっぱり連敗はしたくないですね。相撲自体は悪くなく、落ち込んでもいなかったのですが、あんな結果になって申し訳なかったです。ただ、大分からの声援はありがたかったです。
Q:九州場所では小結貴景勝関が初優勝し、若い力が台頭しています。
A:番付でいうとベテランがいて若手が出てきて、世代交代みたいなことを言われていますが、若い力士だけでなく皆強い。たまたま時代の流れというか若手が出てきただけ。現役でやっている自分が客観的に見ても、今の大相撲は楽しい取組が多いと思います。
地元ファンらと交流を楽しむ嘉風関
Q:嘉風関が思う相撲の醍醐味(だいごみ)とは?
A:無差別級なので体が小さい力士が大きい力士に勝つこともある。一つの取組時間が短い短期決戦。勝負は単純明快だが、そこに奥深さがある。裸の大男がぶつかり合う戦いを見てほしい。それぞれ感じ方は違うでしょうが、何かを感じて欲しいです。
Q:大ベテランと呼ばれる年齢になりましたが、引き際を考えることはありますか?
A:やれるならずっと土俵にいたい。しかも幕内の上位でずっと相撲を取っていたい。今年は横綱と取組が少なかったので、来年はもっと上位にいて、皆さんに元気な姿を見せたいです。同級生や同期生が引退する中で、自分が辞めることは全く想像できませんが、自分らしい相撲が取れなくなったときが引き際だと思っています。ただ、相撲は強い人が勝つのではなく、勝った人が強いと言われるように、いろんな手段を使って勝つ方法があります。同じ相撲は2回取れないし、力不足と思っていた相撲が次の取組では通用したりする。誰かにやめろと言われないとやめないかもしれないですね。
Q:来年3月で37歳。どんな相撲を見ることができるのでしょうか?
A:相撲が好き。ただそれだけで、ここまでやってきた。年齢的なことで連敗すれば引き際の話が出てくるので、自分としてはいつやめてもいいように完全燃焼の相撲を取る。不完全燃焼で終わらないように力を出し切る。それしか考えていません。
Q:最後に大分のファンの皆さんにメッセージをお願いします。
A:いつも応援ありがとうございます。来年も勇気を与えられる相撲を取りたいです。温かく見守ってくれる大分の皆さんの応援は励みとなりますし、恩返しをしたい。嘉風の相撲がまた見たいと思われるような取組をするので応援よろしくお願いします。
現役続行、ベテラン力士の来場所への期待は高まる
(柚野真也)