バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
バサジィ・フットサル 確実に勝点を奪いプレーオフ目指す
12チームによる3回戦総当りのリーグ戦において、3巡目からバサジィ大分の戦い方には明らかな変化が見られる。伊藤雅範監督は「第2クール(2巡目)までは自分たちのスタイルを貫いてきたが、上位を狙うのであればプラスアルファが必要になる」と、開幕からのスタイルを捨て、確実に勝点を取る手堅い戦術に転換したのだ。
転機となったのが2巡目の15節立川・府中アスレティックFC戦から始まった上位チームとの5連戦。結果は1分4敗と大きく負け越したが、そのうち4試合は僅差の勝負だった。「あの5連戦は引き分けに持ち込むこともできたが、勝点3を取るためにガチンコ勝負をした」と伊藤監督。あえて真っ向勝負を挑み、自分たちの力量を把握することで改善点が明確になった。
「フィニッシュの部分で選手の駒が足りない」(伊藤監督)と元日本代表の山田ラファエルユウゴを11月に獲得した。山田は伊藤監督と現役時代に一緒にプレーしたことのある間柄。「監督のやりたいフットサル、自分が求められているプレーは分かっている」とチーム合流初日から積極的に選手とコミュニケーションを図り、すぐにチームに溶け込んだ。加入2週間後の22節エスポラーダ北海道戦に先発出場を果たすと、以降も試合に出続けている。
11月に加入した元日本代表の山田ラファエルユウゴ
得点能力の高いストライカーはフィジカルが強く、なりふり構わずゴールを狙う。「シュートを打たなければ点は入らない」とシュート数は他の選手に比べると格段に多い。また、シュート範囲も広く、伊藤監督は「日本人選手の平均が(ゴールから)10㍍だとするとアイツのシュートエリアは15㍍ある」とミドルシュートを積極的に狙うように指示している。
シュートで攻撃が終わることが増え、守備に入りやすくなった。安定した守備と連動するように攻撃にリズムも生まれている。速攻で崩せなくても、ボールを小気味良く回し、サイドから積極的なドリブル突破を仕掛け、フィニッシュに持ち込む。3巡目以降は、攻守がかみ合い確実に勝点を伸ばしている。リーグ戦は残り8試合となり、プレーオフ出場となる3位の府中とは勝点差10。上位との直接対決がまだ残されており、その勝敗が大分の命運を左右する。
積極的にコミュニケーションを図る山田
(柚野真也)