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浜田太貴(明豊高校3年) ドラフト4位でヤクルトへ フルスイングで勝負

浜田太貴(明豊高校3年) ドラフト4位でヤクルトへ フルスイングで勝負

 明豊高校のスラッガー浜田太貴が、プロ野球ドラフト会議でヤクルトから4位で指名された。今夏の全国高校野球大分大会は準決勝で敗れたが、昨夏の全国高校野球大会での好成績が評価された。大舞台に強く、物おじしない性格はプロ向き、フルスイングを持ち味とするスラッガーの今後の活躍が楽しみだ。

 

チームを勝利に導く打点にこだわりたい

 

 小学生の頃から憧れたプロ野球選手。恩師と慕う川崎絢平監督らとプロ野球ドラフト会議の中継を見守っていた浜田太貴は「朝から緊張していた」と、これまで味わったことのない一日を過ごした。ヤクルトから4位指名で名前を呼ばれた瞬間、笑顔を取り戻し、川崎監督と固い握手を交わした。「名前を呼ばれてホッとした。甲子園で打てた時よりうれしい」と素直に喜んだ。

 

 浜田の名前が全国に知れ渡ったのは、昨年夏の全国高校野球大会。強気な性格と勝負強いバッティングが一気に開花した。3試合で2本塁打を含む15打数9安打9打点、打率6割。一気にプロ野球のスカウトが注目する選手となった。今夏の全国高校野球大会の出場を逃したが、プロの評価は変わらず7球団から調査書が届いた。ヤクルトは外野手の補強を考えており、内外野を守れ、長打を打てる将来有望な浜田にラブコールを送った。

 

 この1年で持ち味のフルスイングは鋭さを増し、飛距離も伸びた。高校通算45本塁打は立派な数字だが、浜田自身は「本塁打よりチームを勝利に導く打点にこだわりたい」と得点圏での集中力を研ぎ澄ませた。川崎監督は「ここ一番での集中力が凄い。初球から打てる強気な性格と物おじしない性格はプロ向き」と称える。

 

 高校3年間の思い出を聞かれ、全国高校野球大会での本塁打ではなく、「毎試合のベンチでのみんなの声掛けや笑っているところは今でも頭に残っている」と答えた。会見を終え、祝福する仲間の元に駆け寄った浜田の目は潤んでいた。苦しみも喜びも味わった仲間に「自分のことのように喜んでくれた。今までありがとうと伝えたい」と感謝した。プロでの活躍が恩返しとなることは承知の上、「ここからが勝負」と気を引き締めた。

 

プロ野球での活躍が期待される浜田太貴

 

記者会見&囲み取材 再録

 

1日でも早く一軍に定着することが目標

 

Q:名前を呼ばれた瞬間の気持ちは?

 ホッとしました。甲子園で打てた時よりうれしいです。今まで一番両親にお世話になったので、プロになれると報告したいです。

 

Q:ヤクルトの印象は?

 一番印象の強い選手は山田哲人選手です。全てにおいて能力が高く、トリプルスリー(打率3割以上、本塁打30本以上、盗塁30以上)を3度も達成している。走攻守備わった選手であり、目標としたい選手です。

 

Q:プロでは内野手と外野手、どちらで挑戦したいですか?

 チームに求められているポジションをしたいので、内野でも外野でも、どちらでもいいと思っています。

 

Q:高校時代の代名詞だった“フルスイング”でありホームランは今後も追い求めたいですか?

 自分のスタイルは変えずに挑戦したいです。

 

Q:これから入団交渉などがあると思いますが、プロ入りを前にどんな思いで練習をしていくのでしょうか。そして、プロでの目標を聞かせてください。

 夏が終わって甲子園に出場できない悔しい気持ちが大きかったので、プロの世界でやり返したいと思って練習してきましたが、これからはプロで勝負するという自覚を持って、今まで以上に追い込んで体を作り、技術を磨きたいです。1日でも早く一軍に入り、目標は打率で2割8分ぐらいで、打点は多く取りたいです。

 

Q:ホームランの目標数値はありますか?

 多く打ちたいのですが、それよりもチームが勝つことと、そのための打点を多くとりたいと思っています。

 

ヤクルトに指名された瞬間、笑みがこぼれた

 

フルスイングでアピール

 

Q:プロでは、どんなところをアピールしていきたいですか?

 自分のアピールポイントはフルスイングで長打も単打も打てるところなので、そこを見てほしいです。1年目はしっかり体を作って、3、4年目からは確実にスタメンに定着したいです。

 

Q:ヤクルトではどんな選手を参考にしたいですか?

 山田哲人選手です。インコースを打つのがうまいので教わりたい。6月の関東遠征の時に(山田選手の動画を見て)足の上げ方とバットのトップの位置をイメージして参考にさせてもらいました。

 

Q:今日1日は、どのように過ごされましたか?

 ずっと緊張してきました。本当に選ばれるのかなと不安もありました。

 

Q:セ・リーグで対戦した投手はいますか?

 ジャイアンツの菅野智之投手と対戦してみたいです。

 

Q:ドラフト会議を一緒に見守った校長、監督に伝えたいことはありますか?

 校長先生、野球部の指導者の方々には、今までお世話になったので、野球を通して恩返しをしていきたいです。

 

Q:高校3年間の野球生活で思い出に残っていることを教えてください。

 毎試合のベンチでのみんなの声掛けや笑っているところは今でも頭に残っています。

 

Q:悔しかったことは?

 3年生の夏に(全国高校野球大分大会の)準決勝で負けたことです。

 

Q:得たことは?

 我慢する力です。試合で前半は負けていても粘って後半逆転する明豊の野球、そして、バッティングでも打ちたい球がきても我慢することを学びました。

 

Q:高校で培ってきたことが、今後どのように発揮できると思いますか?

 負けたくないという思いを学んだので、その気持ちを忘れずにプロで勝負したいと思います。

 

3年間、苦楽をともにした最高の仲間が祝福してくれた

 

(柚野真也)