
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)の県1次予選を勝ち抜き、シード校への挑戦権を得た高校を紹介する。男子の2回目は津久見高校。
「試合結果は出来過ぎ。リバウンドが良く取れた」と津野賢一朗監督が振り返ったのは、ウインターカップの県2次予選突破を懸けた大分工業戦。戦前の予想では大分工業有利とされていたが、リバウンドからの速攻が次々と決まり点差を広げた。
チームを引っ張ったのは3年生だった。6月の県高校総体では2回戦で姿を消したが、「諦めきれなかった」と成松陽太ら3年生の3人が部活を引退せずにウインターカップを目指した。前チームのキャプテンだった大木良真(3年)を中心に話し合いの場を設け、「何ができなかったから負けてしまったのかダメ出しした」。否定的な意見も肯定的な意見も含め、チームの長所、短所が明確になり、「チームが一丸となれた」(大木)。
長所である高さを生かし、守備時は“全員リバウンド”で相手の2次、3次攻撃を封じた。ボールを保持すると素早くパスをつなぎ、ノーマークの選手を見つけてシュートまで持ち込む速攻を磨いた。ウインターカップの県1次予選では、上流から下流へ水が流れるかの如くリバウンドからの速攻が決まり、試合を重ねるごとに水かさが増した。
格上の相手と対戦すると萎縮する悪い癖があったが、「今まで勝ったことのないチームに勝つことで自信がついた」(成松)と勢いは増し、快進撃を続けた。リバウンドという大きな武器を手にし、相手の守備が整う前に攻撃を仕掛ける“ラン&ガン”で、常に攻撃が守備よりも多い数的有利な状況をつくるのが津久見のスタイルになりつつある。
1次予選はリバウンド争いで優位に立った
成松陽太(3年)
パワーフォワード、178cm、74kg、臼杵西中学校出身
県高校総体ではリバウンドが取れず悔しい思いをした。筋力トレーニングで体をひと回り大きくし、当たり負けしない強さを手にした。元々、身体能力は高く、気持ちが上がると3点シュートの成功率が高まるスコアラーだったが、今はチームの勝利のために果敢にリバウンドに飛び込み、泥臭いプレーもいとわない。「津久見の新しい歴史をつくりたい。今以上に走り切るプレーをする」と強い気持ちでウインターカップ県2次予選に挑む。
大木良真(3年)
スモールフォワード、170cm、72kg、坂ノ市中学校出身
新チームになりキャプテンの座は譲ったが、チームのムードメーカーとして頼れる存在だ。3点シュートが打て、サイズは大きくはないがインサイドプレーも得意とする。ウインターカップの県1次予選の勝因は、「全員が一丸となって戦え、きれいにパスがつながりノーマークでシュートを打つことができた」と話す。県2次予選では「リバウンドがカギになる」と全員リバウンドで勝利を勝ち取る。
(柚野真也)
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