
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
バスケットボール部の選手として活動し、週末は社会人から高校、中学、ミニバスケットの試合でホイッスルを吹く高校生審判員の内田一颯(大分工業3年)。公益財団法人日本バスケットボール協会公認C級審判員に認定されており、大分県では1人しかいない現役高校生の公認審判員だ。
小学2年生のときに下郡小学校のミニバスケットボールチームに入り、すぐにバスケットボールに魅了された。中学でも選手としてプレーを続け、紅白戦で審判をしたときに「ひとつの笛で試合の流れが変わってしまう」と、選手とは違う責任感を味わい、それと同時にやり甲斐を感じた。2年生のときに左親指剥離骨折し、選手として思うようなプレーができなくなり、審判と選手の“二刀流”を目指すようになる。
大分工業に入学してからも、現役選手としてプレーを続けながら審判の技術を磨いた。その姿が県バスケットボール協会の御手洗亮審判委員長の目に止まり、「本気で審判をやってみないか」と声を掛けられ本格的に審判の道を志した。顧問の福山浩史監督は「彼は意欲的で前向き。選手と異なる視点でバスケを見ることができるからアドバイスも的確。同級生だけでなく後輩にもいい影響を与えている」と話す。
同世代の試合の審判をする際は懐疑的な目を向けられることもあったが、場数を増やし、適正なジャッジをすることで認知された。試合後には保護者から賞賛され、同級生からも「すごい」と言われるようになった。
今年は県高校総体でも笛を吹き、九州沖縄地区国立高専体育大会や全日本社会人O-40・O-50九州ブロック予選大会大分県予選など大きな大会でも審判を務めた。「大人に混じり審判をするのはすごいこと。審判としての技量はもちろんだが人間的にも成長した」と福山監督。内田自身も経験を重ねることにより、「判断に迷いが少なくなった。自分で試合をコントロールできるようになりたい」と手応えを感じている。
目標は「プロのBリーグや国際試合で笛を吹けるようにS級審判員になること」。内田はスポーツを「する」「見る」「応援する」を経て「支える」立場になって今後もバスケットボールに携わっていく。
県内ただ1人の現役高校生の公認審判員
(柚野真也)
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