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優勝した大分商業高校 野心は確信とともに大きくなる

優勝した大分商業高校 野心は確信とともに大きくなる

 社会人、大学生、高校生の23チームが大分県代表の座を懸けて争った天皇杯・皇后杯全日本バレーボール選手権大会大分県ラウンド。決勝戦は7月8日に大分商業高校体育館で行われ、大分商業が臼杵を2-0のストレートで下した。

 

 県高校総体が終わり、2年生がチームの中心を担う高校が多い中、決勝に駒を進めた大分商業と臼杵は、主力の3年生が残りメンバーはほぼ同じだった。ただ、期末考査が終わった直後の両校は、コンディションにばらつきがあったのは否めない。臼杵の辻郁徳監督は「この大会は夏休みを前に課題を見つける大会」と言い、大分商業の森栄一郎監督も「県高校総体が終わり、再スタートを切ったばかり。この大会に関しては、今までやって来たことの余力で戦うようなもの」と話したが、「負けたくはない」と本音がぽつり。

 

 藪谷理咲(3年)と後藤菜摘(3年)の“左利きのライト”を擁し、エースの岡部さくら(3年)と役者がそろう大分商業は、序盤からペースを握り、リードを許すことなく2セットを取った。スパイカーの気持ちを乗せるテンポの良いトスワークが光ったセッターの日高奈都美(3年)も殊勲者のひとり。「それぞれの良いところを引き出そうと連係を心掛けた」と相手ブロックに的を絞らせない多彩なコンビネーションでスパイクの決定率を高めた。

 

得意とするライト攻撃が勝利を呼び込んだ

 「決勝は自分たちらしいバレーができた。一度も流れが悪くならず課題としていたブロックが良かった」と藪谷。この大会を通してブロックが機能し、相手のスパイクのボールを拾うディグも向上した。森監督は「優勝してホッとしているが、まだまだ詰めが甘い。春高(春の高校バレー)まで時間があるので、この夏でしっかりチームをつくり上げたい」と話せば、日高は「県高校総体で東龍(東九州龍谷)と接戦に持ち込めたことがまぐれと言われないように、この大会で出た反省を生かしたい」と高校最後の公式戦に向けて、結果だけでなく大きな成果を得た大会となったようだ。

 

 今大会は不参加だった東九州龍谷の対抗馬となる大分商業。3年生に個の能力の高い選手が多く、高校バレーの集大成となる春の高校バレーの県予選に向けて弾みがついた。森監督は「3年生が入学したときから目指してきたライト攻撃主体のスタイルが形になりつつある。この夏は長期合宿など含めて悔いのない試合ができるように仕上げるつもり」と手応えを感じている。目指すスタイルに確信を持ち始めた選手たちも、その胸に少しずつ大いなる“野心”が芽生え始めている。

 

春の高校バレーに向けて順調なスタートを切った

 

(柚野真也)