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バサジィ・バレー 現在の力を知った糧とすべき敗戦

バサジィ・バレー 現在の力を知った糧とすべき敗戦

 徳丸善基コーチが監督に昇格し、始めての公式戦となった「天皇杯・皇后杯全日本選手権大会大分県ラウンド」。シードのバサジィは初戦の鶴崎工業高校をストレートで退けたが、準決勝で臼杵高校に敗れたため、目標とする大分県代表の座を得ることができなかった。徳丸監督は「大きく崩れることはなかったが、ここでやってはいけないという場面でサーブミスなどが出た。詰めが甘く、大事なところで得点できない弱さがある」と総括した。

 

 ただ、今大会では得点源として大きな成長を遂げた山下志保がチームを引っ張った。徳丸監督が「やる気があり、向上心が強い。自分がどんなプレーをしたいかコーチ陣に話し、率先して練習をする」と話すように、1月にチームが始動してから西原大樹コーチとマンツーマンでチーム練習とは別に練習前、練習後にスパイク練習をした。その成果は形として表れた。2試合とも2桁得点をマークし、チームに勢いをもたらした。相手のブロックを見極めてクロスとストレートに打ち分け、体勢が厳しければボールをコート外に弾き出すブロックアウトで得点を重ねた。山下は「調子は良くなかったが、練習でやってきたことを意識してプレーした。選択肢が増え、自分ができるプレーが広がった」と大きな手応えを得た。

 

初采配となった徳丸善基監督

 

 臼杵高校戦は開始直後から相手にリードを許し、追いかける苦しい展開になった。だが、意外にもこれが選手たちに得点を強く意識させることにつながっていく。亀井亜由美が左右に攻撃を散らし、勝負所でセンターを使う幅広い攻撃でリズムをつくった。第1セットは18-25で落としたが、続く第2セットは29-27で粘る相手を突き放し、追いついた。第3セットは勢いそのままに終盤までリードしたが、気持ちが前に行き過ぎて余裕がなかった。突き放すチャンスが多くありながら、勝ち越せずに逆転負け。「勝てただけに悔しい」と山下は話した。

 

 一方、徳丸監督は試合後、安堵の表情を浮かべて取材に応じた。「負けたことは悔しいが、勝負所でリスクを冒し、攻めることができた。うまくバランスが取れたし、これまでの試合で一番内容が良かった」

 劣勢に立たされたことが契機になったとはいえ、積極的に自分たちから仕掛ける姿勢が生まれたのは、何よりの収穫だった。

 

 もちろん自分たちのリズムのときに突き放せなかったことやリードしながら終盤に逆転されたことは修正すべき点だ。公式戦の場が少なく、学生に比べて練習時間は極端に少ないが、それはもう言い訳にはできないだろう。

 徳丸監督が「この大会でできなかったことを修正していけば、チームとしてレベルアップできる」と話すように、現在の力を計れたこと自体が、チームとしての経験値を上げることにつながったはず。この敗戦を糧として再スタートを切る。

 

チームの得点源として活躍した山下志保

 

(柚野真也)