OITA SPORTS

7/1 TUE 2025

supported by

トーア不動産

フットサル フットサル

バサジィ・フットサル 攻守のスタイルが明確、チーム内競争も高まる

バサジィ・フットサル 攻守のスタイルが明確、チーム内競争も高まる

 Fリーグ開幕戦を白星発進し、次のホーム戦では黒星となったバサジィだが、4シーズンぶりに指揮する伊藤雅範監督の下、自分たちがやるべきことをきちんと把握できているという印象だ。

 

 今季のバサジィは、相手ゴールに一番近いポジションにいるピヴォにパスを出し、そのピヴォがボールをキープして攻撃に展開する“ピヴォ当て”と言われる戦術に取り組んでいる。ボールを奪えば、まずピヴォにパスを入れて手数を掛けずにゴールへ到達するというスタイルだ。

 

 守備面では、昨季よりも守備ラインを高く設定し、相手のボール保持者にプレスをかける戦術に取り組んでいる。より高い位置でボールを奪い、相手の守備隊形が整わない間に、攻撃できているのは、ハードワークという要素があってこそ。新チーム始動から今もフィジカルトレーニングは続く。

 

 もちろん、ラインを上げれば背後を取られ失点するリスクは高まる。そのため、ボールの出所を抑えるべく、前線のハードワークは必至だ。ただし、あまり深追いし過ぎると、今度は全体のコンパクトさを失うことになりかねず、そのバランスこそがこのスタイルのポイントになる。

 

前線で起点となるピヴォの上福元俊哉

 

 開幕からの戦いぶりを振り返ると、バサジィは前からボールを取りに行く時間帯と、後ろでブロックをつくる時間帯を意識的に使い分けている。ホームのシュライカー大阪戦では、伊藤監督が「相手のスタイルとかみ合わなかった」と振り返ったように、主導権を握れなかったが、全てのチームに対して万能な守備戦術がないことは明らかだ。

 

 新加入のブラジル人選手3人は、チームにフィットするまでもう少し時間がかかりそうだが、GKマルセロは攻撃的なプレーを見せ、182cmのヴィトン、184cmのレイチの長身の2人は積極的にシュートを放ち、伊藤監督の目指すダイナミックなフットサルを体現しようとしている。

 

 伊藤監督は「運動量、体の強さは当然必要なこと。球際で戦えない選手は使わない」と話す。外国人選手であろうと日本人選手であろうと関係ない。「チームのコンセプトを理解し、練習にしっかり取り組んでいれば、誰にでもチャンスはある」。その指揮官の強いメッセージを、全ての選手に伝えたことでチーム内の競争意識は高くなった。白方秀和は「昨季より練習の質が高くなったし、全員が試合に出たいという思いが強い」と感じている。

 選手のコンディションや組み合わせを探る状態は続いているが、悪くないスタートを切ったと言える。

 

攻撃参加するマルセロ

 

(柚野真也)