
珠玉の一枚 Vol.40 【大分県】
剣道
剣道団体戦の男子決勝リーグは明豊、三重総合、大分、大分鶴崎が争い、明豊が3戦全勝で3連覇を果たした。
名将・岩本貴光監督率いる明豊は、2年前に創部1年目にして県内主要大会3冠という偉業を成し遂げた。昨年も勢いは止まらず、県内にもはや敵なしといっても過言ではない。しかし、今大会は圧倒的な強さを見せつつも、ひやりとする場面が少なからずあった。要因は挑戦者から“追われる立場”になったことが大きい。「力はある。だけど“勝たなければならない”というプレッシャーで力を出し切れない部分があった。精神的なものがいかに影響するか選手たちも痛感したのではないか」と岩本監督。この貴重な経験は成長の糧となり、今後に大きく生かされるはずだ。過去2回の全国高校総体はいずれも予選リーグ敗退と悔し涙を飲んだが、全国レベルの強豪校がひしめく九州大会では互角以上の戦いを繰り広げてきた。今年こそは悲願の日本一を目指す。
女子は三重総合が、日田、杵築、佐伯鶴城を下し、3戦全勝で3連覇を達成した。
初戦敗退という辛酸をなめた春の全国高校選抜大会後は、チームの目標を日本一に変え、ひたむきに練習に取り組んできた。副キャプテンの伊達優希菜(3年)は「他のどの学校よりも練習してきた」と明言する。朝練など通常練習以外にも率先して取り組み、道場に掲げた目標を書いた紙を毎日穴があくほど見つめたという。勝ちたいという気持ちはどこよりも強かった。女子は力が拮抗していたが、思いの強さが勝利を引き寄せたといえる。
明豊が実力通りの力を発揮し、優勝
鶴田千晴(三重総合高校3年)
2001年2月27日、158cm、稙田南中学校出身
キャプテン、大将として重責を担った鶴田。総合力を備え、打突の強さにも定評がある。決勝リーグ最終戦では宿敵杵築相手に華麗な面一本を決め、優勝に花を添えた。大会を通して苦しい展開も多かったが、試合後は「今までやってきたことを全員出し切れたと思う」と充実感を口にした。
2歳から剣道を始めた鶴田にとって、剣道は生活の一部。練習量の多さと厳しい指導で知られる三重総合で3年間剣道漬けの日々を送るが、これまでの道のりを振り返り「きつい練習の後には達成感がある。辞めようと思ったことは一度もない」と笑う。高校生活の集大成ともいえる全国高校総体に向け「キャプテンとしてチームをしっかりまとめ、1試合1試合大事に戦っていきたい」と話し、頂点への意欲を見せた。
(甲斐理恵)
2018県高校総体レポート〜憧れの舞台を目指して〜
PICKUP PLAYERS FILE
板井俊将(明豊高校2年)
2001年9月8日生まれ、166cm、58kg、臼杵北中学校出身
団体戦では次鋒を務めた板井。岩本監督に今大会で活躍した選手は?と尋ねると一番に名前が挙がった。「3年生の2人(大将の中尾泰真と副将の武蔵治斗)がいたから思い切ってやれたと思うが」と前置きした上で、「かなりうまく試合の流れをつくってくれた。緊張感のある舞台でも自分を見失わなかった」と県高校総体初出場での健闘を讃えた。板井も「自分の役目をしっかり果たすことができた」と自信を手に入れ、笑顔を見せた。しかし、「県内一」に満足することはない。「まだ一つの技に頼ってしまう傾向がある。もっと色々な技を打てるように精進したい」と冷静に言葉を続けた。剣道を極めるために明豊への入学を選んだ日から、経験を積み重ね、その先にある「日本一」を追い求めている。
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