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バサジィ・バレー コンディション良好。着々と進む新戦力の融合

バサジィ・バレー コンディション良好。着々と進む新戦力の融合

 今年初の公式戦となる「天皇杯・皇后杯全日本6人制バレーボール選手権大会九州クラブブロック予選」に向けて調整を進めている。例年同様、1月から体力づくりが主な目的だったが、「(クラブが設立されて)これまでの2年間に比べコンディションがいい」(中村貴敏監督)という選手たちの仕上がりの良さもあり、練習試合も多く取り入れていった。

 

 練習試合は実戦形式での体力向上と戦術浸透が狙いだ。「選手たちは各自が狙いを持ち、体力を高め、新たなチャレンジをしている」と中村監督。新たなチャレンジとは、これまでオープン攻撃、1枚ブロックがチームの代名詞だったが、今年から対戦相手、試合状況に応じて2枚ブロックを併用し、守備を再構築している。2年間続けてきたスタイルからの脱却に選手には不安の声もあったが、指導スタッフが「勝ち上がるために必要なこと」と何度も話し合いの場を設けて、方向性を決めた。

 

2枚ブロックを併用し、守備を再構築する

 

 練習試合で中村監督はいくつかのテストを行っている。相手のスパイクに対し、しっかり2枚ブロックがコースを消すように指示。レシーバーの守備範囲が広くなったことで、細かくエリアを分割した。試合ごとに決まり事を増やし、戦術を落とし込んでいる。3月下旬に新たに加入したチーム最長身172cmの藤古彩乃の存在も大きい。「新戦力をいかに組み入れていくか」と話す指揮官は長身ミドルブロッカーのベストな生かし方を模索している。

 

 藤古は攻撃面でも肩の強さを生かした力強いスパイクを打ち込み、大きな戦力となっている。ただ、「みんながどんなプレーをするのか特徴をつかみながらやっている」と語るように、連係面や馴染みの少ない高いトスへのタイミングなど、適応にはもう少し時間は必要だ。公式戦デビューに向けて「存在感のある選手になりたい。思い切りのいいプレーをしてチームの勝利に貢献したい。今度の試合は絶対勝ちます!」とチームに新しい風を吹き込んでいる。

 

 クラブ創設2年目の昨季は、それまで積み上げてきたものにさらに磨きをかけて勝負を挑んだが、結果を出すことができなかった。そこから、収穫はもちろん、いくつもの反省点や課題に気付かされたはずだが、今季はフレッシュな気持ちで挑む決意を固めている。リセットの意味合いもあるだろう。新たな思いで試合に挑む。

 

期待の新戦力・藤古彩乃

 

(柚野真也)