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大分高校 魂の野球を追求し、終盤勝負できるチームをつくる

大分高校 魂の野球を追求し、終盤勝負できるチームをつくる

 球春到来。第142回九州地区高校野球大会県予選が始まった。ひと冬を越え戦力アップを図った各校が挑んだ久しぶりの公式戦。それぞれの特徴が見えてきた。注目校の戦いぶりを検証し、収穫や課題を探る。1回目は大分高校。

 

収穫:ライバル明豊の力を体感した

課題:打線の強化と気持ちの強さ

 

 2014年と16年に夏の全国高校野球選手権に出場した私立の雄・大分が臼杵市民球場での大会第1日の第1試合に登場した。注目の大型左腕・山月雄翔(3年)が中津東相手に完投した。続く2回戦では第1シードの明豊と対戦し4−5で惜敗し大会を終えた。

 明豊戦は1回戦から中2日のため山月の先発を回避し、長尾凌我(2年)にマウンドを託した。松尾篤監督は「山月を休ませたかったということもあるが、明豊のバッターが大振りしてくると思ったので(技巧派の)長尾に任せた」と話したが誤算だった。明豊打線が狙い球を絞り、コンパクトなスイングでつなぐ野球に徹したことで3回までに4点を許した。

 頼みの打線も得点機で打てず、「ここぞというところで怖がっている。フライアウトが多い。詰まっても振り切るのが明豊。その差が結果となった」(松尾監督)。それでも9回裏に粘りを見せたのは底力がある証拠。途中交代の3年生の集中打で1点差にまで迫った。5回からマウンドに上がった山月は球速こそ出なかったが、4回を1失点に抑えた。松尾監督は「この時期に明豊と対戦できたのは夏の大会に生きる。打線の強化を図りたい」と収穫を口にした。

 

注目の左腕・山月雄翔

 

監督インタビュー「魂の野球。相手に向かっていく野球をしたい」

 

 (明豊戦は)序盤、中盤に点が入らなかった。2回裏の2アウト満塁で1本出ていれば流れは変わったのだが…。山月は調子が良くなかったが抑えてくれたし、打線も最後の反撃は集中力があった。

 今回は2年生中心に先発起用したが、交代出場した3年生の経験は大きく、力を発揮してくれた。7〜9回の終盤までに3点ビハインドであれば逆転できる力があることが分かった。いかに失点を与えずに終盤まで試合を進めるかが課題となる。そのためには山月を中心に2番手、3番手の投手を育て、守りのチームをつくりたい。もっと魂の野球、相手に向かっていく野球をしなければいけない。部員が真面目過ぎるので、もっと心の奥底にある情熱を駆り立て、前面に出るような雰囲気をつくらなければならない。夏の大会までに一球に対する集中力を研ぎ澄ませたい。

 甲子園を目指すうえでは、明豊はどうしても対戦しなければいけない相手。現時点で力の差を感じられたのは良かった。

 

気持ちを前面に出す魂の野球を目指す

 

(柚野真也)