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トリニータ 開幕3試合を終えての収穫と課題

トリニータ 開幕3試合を終えての収穫と課題

 開幕から3試合を終え、1勝1分1敗で9位。もちろんこの時期に順位を意識する必要はないが、今季初黒星となった3節岡山戦はミスが多く、意図した攻撃がなかなか表現できず、残念な試合内容と結果になった。

 

 とりわけ前半のトリニータは、岡山のプレッシャーの前に効果的なパス回しが発揮できず、開幕戦で見せたような怒とうの攻撃は鳴りを潜めた。原因はディフェンスラインが下がり気味となったことで、全体が間延びし、中盤が前線に絡めなかったこと。片野坂知宏監督は「パスの質が悪く、判断も良くなかった」と言う。岡山がトリニータのストロングポイントを徹底して封じたことも大きい。

 

 しかし、1点差で迎えた後半、どこで数的優位をつくり、攻撃できるのかを整理したことで、ボールを保持する時間は長くなった。松本怜のスピードに乗った突破や、丸谷拓也、宮阪政樹、星雄次の連係によるサイドの崩しなどで相手を押し込んだ。さらに途中からピッチに入った川西翔太や岸田翔平らがペナルティエリアまで侵入しチャンスをつくった。

 

今年はチームの継続性だけでなく、選手個々の意識が高い

 

 今季の大分のスタイルを松本はこう説明する。

 「昨年とやっていることは変わらないが、継続してやっているから互いに理解ができている。新加入選手もトリニータのサッカーを理解している」

 DFラインからしっかりとパスをつなぎ、前線に縦パスが入ると一気にスピードが高まる。そしてゴール前でのダイレクトプレーが目立つのも、お互いの動きが分かり合えているからこそ。昨季の主力がほぼ残り、固定されたメンバーで戦ってきた成果が今のベースになっている。

 選手個々の意識も高い。各ポジションに即戦力を補強し、「レベルアップしないと試合に出られない」(松本)という意識がチームのスケールアップにつながっている。

 

 90分間自分たちのペースで試合を進めることは難しい。3試合を振り返ると、開幕戦では前半の勢いを後半につなげられなかったし、逆に山形、岡山戦では立ち上がりに課題を残した。コンスンタントに安定した力を発揮できるようになれば、トリニータの攻撃スタイルはさらに質を高めていくはずだ。

 

 片野坂監督も今年のサッカーに大きな自信を持っているようだ。

 「昨年はJ2残留を目指す戦いだったが、今季はJ1昇格を期待されるようになった。そのためにやらなくてはいけないことは多い。ただ、これまでの試合で選手から勝ちたいという意思が強く見えた。これから良い試合が増えると思う」

 

片野坂監督は今年のサッカーに手応えを感じている

 

(柚野真也)

大会結果