
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
JFL7年目(HOYO大分時代を含む)の今季は須藤茂光監督を招聘(しょうへい)し、新たな船出となる。須藤監督といえば、現役時代は日本代表に選出され、引退後は日本サッカー協会の育成部門やU-16日本代表などで指導した経歴を持つ。今オフは例年に比べ選手の入れ替わりは少なく、ピンポイントの補強と“育成のプロフェッショナル”によるチームの底上げで上位を目指す。
大きな戦力アップはないが指揮官に悲壮感はない。須藤監督は「個人のレベルが上がれば自然とチームのレベルは上がる。戦術うんぬんではなく、普段の練習の一つひとつのプレーにこだわりたい」と現有戦力を鍛え直し、成長していけばいいと語った。特別な練習をするわけでもなく、特異な戦術を持ち込むわけでもない。追求するサッカーは、自分たちがボールを保持して試合の主導権を握る現代サッカーのオーソドックスなスタイルだ。
練習ではパス練習を強化した。動きながらパスをつなぐため運動量が自然と増えた。止める、蹴るをはじめとした基礎技術をコツコツと積み上げている。パスの強度が弱ければ練習を止めて高い意識を要求し、正確性に欠ければ檄を飛ばす。「日頃の練習から意識しなければ試合では通用しない。正確なパスが出ればスピードも上がる。全ては積み重ね」(須藤監督)と妥協は許さない。
選手のサッカーに取り組む姿勢に手応えを感じている須藤監督
「昨年までは自陣で守備ブロックを築き、カウンターを狙うサッカーだったが、今季はボールを保持した上で守備の時間を短くしようとしている。自分たちからアクションを起こすのは楽しい」とキャプテンの中村真人。これまで前線のターゲットとして動きを制限されていた中村だが、今季はボールを失った瞬間からファーストディフェンダーとしての役割も求められている。
新たな監督がきて、プレースタイルも変わり、選手選考は横一線からのスタートになる。「これまでの経験、実績には興味がない。サッカーは走ること。攻撃もあれば守備もある。チームのために何ができるかを理解した選手を起用する」と須藤監督の言葉に偽りはない。これまでの練習試合では、昨年までの主力であろうとベンチに入れないこともあった。
チーム内に競争意識が芽生え、活性化している。「選手たちのサッカーに取り組む意欲を高め、チーム内に良い雰囲気をつくっていかなければ良い仕事はできない。選手たちは学ぼうとする姿勢があるし、まだまだ伸びる要素はあることを理解している」。上から教え込むのではなく、選手の意欲を引き出し、一緒にチームをつくろうとする。これまで若年層の育成が主だった仕事だったが、「サッカーの成長に年齢は関係ない」というベテラン監督の手腕が本物であるか注目される。
須藤監督のサッカーを楽しいと語る中村
(柚野真也)
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