
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
小川貴史監督体制4年目を迎えた今季の大分三好ヴァイセアドラーの目標は、チャレンジリーグ優勝だった。結果としては連覇を逃したが、最後は6連勝で2位。よく言えば安定した実力をキープ。悪く言えば限界を越えられなかったシーズンとなった。
サーブレシーブを安定させ、攻めのサーブで相手を崩すという戦い方をベースに、高さとパワーを備えた助っ人のヤカン グマが絶対的エースとして安定した力を発揮した。さらに攻撃の選択肢は増え、米田亘希、濱本豊といった若いスパイカーが才能を垣間見せたことも、来季に向けた好材料となるだろう。
今季のリーグ戦は開幕戦に勝利したが、その後2連敗し黒星が先行する序盤戦だった。キャプテンの石垣公也が「開幕からチームが粗かった」と振り返ったように、連携不足が目立ち、サーブレシーブが乱れ、思うような試合運びをできなかった。
ただ、「強みの攻撃力でウイークポイントをカバーできた」(石垣)と長所を生かすバレーに徹したことで、若いチームは臆することなくプレーできるようになった。小川監督が「3本柱と言えるまで成長した」とヤカン グマに続く得点源として米田、濱本が計算できるまでに成長した。
米田、濱本の成長を今季のリーグ戦の収穫と話す小川監督
多少、時間はかかったが、「ヤカン頼みのバレーではなく、日本人スパイカーで点を取れるようになった」と小川監督。この1年間で目指すべきスタイルの土台を築くことができた。ここからは、いかにプラスアルファを積み上げていくかが強化のポイントとなる。
来季からは新リーグが始まる。1部は現状の8チームから10チームに増え、大分三好は新たに導入された新リーグ参加のためのライセンスを取得。成績面ではチャレンジリーグで2位以内に入ったことで、参入の期待がかかる。あとは3月末の正式発表を待つばかり。
テコ入れすべき点は、さらなる得点力のアップだろう。チャレンジリーグでは爆発的な攻撃力を誇るも、新リーグで通用するかといえば、そうではない。上を目指すならば、ヤカン グマと同レベルの新戦力の獲得は真っ先に着手しなければならないポイントだ。また、今季限りで引退する石垣の穴を埋める精神的支柱と、攻撃陣をリードできる経験値の高いセッターの補充も不可欠だ。
成長著しい米田、濱本など得点センスを備える選手がいるのは大きな強みだ。それぞれがさらにスパイク技術を高め、ポイントゲッターとしてのプレーに磨きがかかれば、さらなる爆発力が期待できる。
守備においては、まだまだ改善の余地がある。安定したサーブレシーブで攻守のバランスを崩さず、いかにセッターに返し、スパイクにつなげられるか。課題の多さは、伸びしろの大きさでもある。来季こそ、真価を問われる1年となる。
今季限りで引退を表明した石垣
(柚野真也)
地区を選択
学校名を選択