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3人制バスケSTAMPEDEユース “敗者”がつかんだ日本一

3人制バスケSTAMPEDEユース “敗者”がつかんだ日本一

 高校でバスケットボール競技を続ける3年生にとって、最後の大会となる全国高校バスケットボール選手権、通称ウインターカップ。憧れの舞台に立つには、各都道府県代表の座を巡って予選を勝ち抜かなければならない。しかし、ほとんどの選手が目標に届かず、敗者となる。「全力を出し切った」と晴れやかな者もいれば、言葉にならず悔しさで涙する者もいる。

 

 多数の敗者の中から、「もう一つのバスケットボール」に挑戦し、日本一になったのがSTAMPEDEユースだ。昨年10月にチームを結成。後藤天月(大分雄城台高校3年)が「3×3(スリーバイスリー)の存在は知っていたが馴染みはなかった。でも、全国大会があると知り、もう一度日本一を狙えるならやってみたい」と、ウインターカップ県予選に敗れた高校の選手に声を掛けた。集まったメンバーは4人。昨年の国体出場を目指し一緒にプレーした少年男子県選抜チームの仲間だ。泥谷椋平(大分舞鶴高校3年)は「ウインターカップに出場できなかったので、もう一度勝負をしたかった」と振り返る。

 

第4回3×3 U18日本選手権大会で優勝した

 

 もう一つのバスケットボールとは、2020年東京オリンピックで実施が決まった3人制のバスケットボール「スリーバイスリー」。5人制に比べコートが約半分となり、試合時間は10分。どちらかのチームが21点以上得点した場合はその時点で試合が終了となるなど、5人制とはルールが異なる。「戸惑いはあったけど、すぐに慣れた」と森川凌(藤蔭高校3年)。

 バスケットボールの基礎能力が高く、シュート力を武器とする選手が集まったこともあり、適応するのは早かった。全員が集まって練習する時間は少なかったが、大分県代表になり昨年12月の「第4回3×3 U18日本選手権大会」に出場し、快進撃を見せた。予選リーグを3勝1敗で突破すると試合を重ねるたびにチームの連係が深まった。

 

 後藤、泥谷、森川が鋭いドライブからジャンプシュート、長距離からのシュートと多彩なシュートで得点を重ねる。ゴール下ではこの大会最高身長の195㎝朱思遠(藤蔭高校3年)が、高さと幅を効かせたリバウンドでシュートをねじ込む。内から外、外から内と相手守備を翻弄し、決勝トーナメントも勝ち上がる。決勝では常にリードされる展開が続き、17—20と先にマッチポイントを握られたが、そこから朱のリバウンドシュート、森川の2点シュートで逆転し、優勝を決めた。

 

 大会MVPに輝いた森川は、「5人制では全国大会に出場できなかったが、スリーバイスリーに出会え、最高の思い出ができた」と喜んだ。4人とも4月から大学に進学し、5人制バスケットボールを続けるが、「スリーバイスリーも同時に続けたい」(後藤)、「いつか、このメンバーでもう一度スリーバイスリーをやってみたい」(泥谷)と再結成に向けて、互いに大学でレベルアップし、年齢制限のない大会にSTAMPEDEとして出場すると約束した。

 

大会MVPに輝いた森川

 

(柚野真也) 

大会結果

2023年度