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佐伯鶴城高校女子水泳部 課題を意識し、フィーリングをつかむ

佐伯鶴城高校女子水泳部 課題を意識し、フィーリングをつかむ

 水泳強豪校として知られる佐伯鶴城高校水泳部。男女とも常に県内で上位の成績を残し、リオデジャネイロオリンピックの競泳男子200m平泳ぎで6位となった渡辺一平を輩出した。学校には室内プールが完備されているので、冬でも練習ができる環境が整っている。

 

 県高校新人大会に女子部員は、夏休みに練習した成果をきちんと出し切ろうという目標を持って臨んだ。全員が力を発揮し、個人では7種目で優勝、400mリレーと400mメドレーリレーでは大会新記録で優勝を果たしたが、全国を視野に入れている選手たちにとっては、順位よりもタイムが重要。主要大会の出場権を獲得するためには標準記録を上回る必要があるため、一戦一戦が勝負だ。

 

 下城智宏監督は「大分県では上位に入れるが、全国で勝つにはまだまだ力不足。基礎的な力を身に付けると同時に、バランスのとれた体づくりをする必要がある。食事など、日常生活の中でも意識するように指導している」と話す。日曜のオフ以外は練習に励み、特に火曜日と金曜日は勝てる体をつくるための筋力トレーニングに力を入れている。

 

順位よりもタイム、全国での活躍を目指す

 

 練習を見ていると、全員がキラキラした笑顔で、本当に泳ぐことが好きだということが伝わってくる。男女・学年に関係なく仲が良く、チームワークも抜群だ。「チームメートの男子がライバル」と髙野二葉(1年)が話すように、お互いを尊敬し、刺激し合い、高め合える仲。全員が“継続は力なり”の言葉を胸に一丸となり、日々の積み重ねで着実に力を付けてきている。

 

 「一人ひとりのその日の表情や雰囲気を感じ取って声を掛ける。泳ぎは感覚で覚える部分も多いので、本人たちが課題を意識し、良い感覚をつかんでくれればいい」と下城監督。選手たちの泳ぐ姿を、プールサイドを何度も行き来しながらじっと見詰め、泳ぎ終わるたびに選手に声を掛ける。選手たちはその言葉をより多く吸収しようと真剣に耳を傾け、また自分自身と戦う―。水泳は孤独な戦いのようにも見えるが、常に上を目指す選手たちの表情は明るい。「努力の積み重ねが飛躍につながる」確信を得たように思えた。

 

泳ぎは感覚で覚える部分も多く反復練習するしかない

 

(黒木ゆか)