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ホッケー

全九州高校体育大会 ホッケー女子 粘りの守備で 玖珠美山が頂点に 【大分県】

全九州高校体育大会 ホッケー女子 粘りの守備で 玖珠美山が頂点に 【大分県】

全九州高校体育大会 ホッケー

6月16日 玖珠町メルヘンの森スポーツ公園

女子決勝

玖珠美山2-1川棚(長崎)

 

 地元・大分で開催された全九州高校体育大会のホッケー。女子は玖珠美山が2年ぶりの優勝を飾り、全国高校総体への出場権を手にした。決勝の相手は強豪・川棚(長崎)。序盤から押し込まれる展開となったが、粘り強い守備と冷静な対応力で勝利をつかみ取った。

 

 試合の主導権を握ったのは川棚だった。序盤から攻勢をかけられ、何度もゴール前のピンチを迎える。しかし、予選リーグ3試合でわずか1失点に抑えてきた守備陣は、この日も集中力を切らさなかった。最終ラインの要・後藤栞那(3年)と中盤で攻守をつなぐ池部星空(同)が奮闘。GK帆足麻央(同)も鋭い反応でゴールを守り、チームに流れを引き寄せた。

 

 均衡が破れたのは前半29分。FW梅木彩羽(1年)が先制点を奪う。だが後半6分、相手の反撃に屈し同点に。それでも玖珠美山は崩れなかった。江藤未夢監督は「立ち上がりから押されたが、そこをしのいだのが勝因。守備の粘りがあったからこそ少ないチャンスをものにできた」と語る。

 

堅守で勝利を呼び込んだ

 

 勝負を決めたのはキャプテンの米原彩華(3年)だった。日本代表候補にも名を連ねるエースは、本来は中盤の選手。しかし、決勝では相手の厳しいマークをかいくぐるため、前線に配置された。後半13分、セットプレーのこぼれ球に反応し、冷静にゴールへ流し込んだ。「GKが出てきたので、しっかりコースを狙えた」と、チームの勝利を決定づける一撃を振り返った。

 

 試合を通して目立ったのは、チーム全体の守備意識の高さだ。春先から急成長を見せた3年生を中心に土台をつくったことが、この日の采配的中と勝利を支えた。しかし、全国を見据えれば課題も残る。江藤監督が挙げるのは「決定力」。守備に多くの時間を割くスタイルゆえ、少ないチャンスを確実にものにする精度が求められる。

 

 今大会を通じてチームの地力と団結力が示された。次なる舞台は全国高校総体。「縦に速いチームが勝てる」と江藤監督が語るように、天然芝でのスピード勝負にも磨きをかけ、全国のベスト8を目指す戦いが始まる。

 

エースの米原彩華が躍動した

 

 

(柚野真也)