
珠玉の一枚 Vol.41 【大分県】
その他
佐賀国スポ アーチェリー少年女子
10月7日 鹿島市陸上競技場
決勝 大分4-5滋賀
3連覇への快挙には一歩届かなかった―。佐賀国スポのアーチェリー少年女子は決勝トーナメントを勝ち上がり決勝に進出。予選1位の滋賀と同2位の大分との対戦は4セット終え4-4で、勝負はつかずシュートオフ(延長)にもつれる接戦となった。3人がそれぞれ1射し、力およばず24-26の僅差で敗れた。勝負が決した瞬間、気丈にチームを引っ張った石井美羽(大分東明2年)の目から大粒の涙がこぼれた。「頑張った。悔いはない。だけど3連覇できないことが悔しかった」
石井と沢田こころ(大分東明2年)は中学2年の頃から国体(現・国スポ)に出場し、小野翔音(別府翔青1年)を加えた新メンバーで3度目の優勝を狙った。撃ち順を沢田、小野、石井と並べた。「最初と最後は緊張するので、2番・小野にしてリラックスして引けるようにした」(石井)のは心遣い。決勝は1セットを先取したが、2、3セットを取られ逆転、後がない4セット目に入る直前に円陣を組み、石井が「3連覇行くぞ!」と大きな声をかける。「自分たちに気合を入れるためでもあったが、相手にプレッシャーをかけたかった」と心理戦に持ち込む狙いもあった。
3連覇を逃し悔し涙を流す石井美羽
石井の狙い通り、相手はプレッシャーからか、打ち損じて同点となる。流れは一気に大分に傾いたが、シュートオフでは1番手の石井が「テンパった。いい流れをつくれなかった」と悔やむ。後続も挽回できず、手にかかった優勝がスルリと抜け落ちた。石井は「3連覇のプレッシャーより、自分たちが勝ちたい思いの方が強かった。ずっと調子は良くなかったが、この大会に照準を合わせたつもりだった・・・」と悔し涙で言葉が続かなかった。
国スポ初出場の小野は、日本代表U―18の石井、沢田に気後れすることなく、存分に力を発揮した。先輩2人と比べ得点の波はあったが、決勝では満点の10を記録するなど今後の伸びしろを感じさせた。「初めての大舞台で楽しかったけど、優勝できなかった悔しさはある」と大きな経験と自信をつかんだ大会となった。
3連覇は逃したが、「来年の国スポは絶対に優勝する」と誓った3人。復権に向け、個々の力を磨く1年が始まる。
チームワークを高め決勝に臨んだ少年女子
(柚野真也)
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