
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
高校サッカーの集大成となる全国高校選手権県予選の季節がやってきた。今年は36校が出場し、10月19日から1回戦が行われる。今大会も群雄割拠の様相を呈している。果たして、出場権を勝ち取るのはどこか。ここではシード4校を中心に有力校を紹介する。第6回は大分上野丘。ノーシードだが、トーナメントをかき乱すダークホースになりそうだ。
4月に赴任した軸丸耕平監督は県高校総体まで前任者の戦い方を踏襲してきたが、大会後から徐々に自分の色を出し始めた。軸丸監督は「自分の色ではなく、今いる選手の組み合わせを考え、特徴の出しやすい方法に変えただけ」と否定したが、従来の3バックから4バックにシステムを変更し、組織として戦うことを植え付けている。
守備はディフェンスリーダーの松崎匠音(3年)を中心にコンパクトな陣形を保ち、連動したプレスでボールを奪う。「一人でもサボったら穴ができる」(軸丸監督)と口酸っぱく言い続け、全員サッカーを落とし込んだ。選手の配置も適正を見極め、国スポで県代表のキャプテンを務めたDF有村凌史郎(2年)を中盤の底に据え、安定感をもたらすなど既成概念に捉われずチームは変貌している。
攻撃の核となるFW沢田奏太(3年)の役割はこれまでと変わらず得点を狙うことだが、依存することはない。これまでは中盤でボールを持った選手はまず沢田を見ていた。体の向き、周辺のサポートを見ながらボールを預けていた。しかし、沢田へのパスコースを封じられ、その後の判断に迷っていると、相手の守備網に掛かってしまう場面が見受けられた。
今大会でも沢田が攻撃の第一選択肢ではあるが、絶対ではない。攻撃の起点が一極に集中するよりも分散した方が相手は的を絞りにくい。沢田は「自分がおとりになる動きをして、他の選手が僕のいたスペースを使えるようなプレーをしたい」と話す。
トーナメントのブロックには大分南や大分西など力のあるチームが多く、激戦が予想される。「初戦の舞鶴から気の抜けない試合ができることで集中力が高まる。チームとして一枚岩となり、自分たちの殻を破る大会にしたい」(沢田)と結果と内容の両方を追い求める。
攻撃の起点となる沢田奏太
(七蔵司)
地区を選択
学校名を選択