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大分トリニータ 提示を明確化し、選手に躍動感もたらす 【大分県】

大分トリニータ 提示を明確化し、選手に躍動感もたらす 【大分県】

 残り8試合となったリーグ戦の目標を「残留」に切り替えた大分トリニータ。前節の山形戦に敗れ、7勝11分12敗で16位となった。J3に自動降格する18位との勝ち点差は6。チームの現状を憂慮する一部のサポーターから抗議があり、クラブは「片野坂(知宏)監督体制のもと、選手・スタッフ・フロント一同が団結し、大分トリニータのフィロソフィーである『諦めない、一体感、アグレッシブ、ハードワーク』を改めて全員が心に刻み、必ずJ2に残留するという強い覚悟をもって戦い抜く」と発表した。

 

 「結果が出ない原因は現場の責任者である自分にある」と語る片野坂監督は、勝つためのサッカーを色濃くすることを宣言。これまで対戦相手によって戦い方を変えてきたが、自らが意図を持ってアクションを起こし、「選手たちが迷いなく思い切ってプレーできるようにしたい」と選手への提示を明確化する。

 

 これまでの試合は、けが人や出場停止者が多かったことにも起因するが、自分たちのスタイルを押し出すよりも、対戦相手の戦い方や試合展開に依存することが多かった。直近の3試合は無得点。自らが意図を持ってアクションを起こす攻撃は、あまり見ることができなかった。

 

次節に向けて戦い方を明確に提示した

 

 こうした状況を打ち破るのは、片野坂監督も語っていた勝負どころでの「前向きなプレー」であり、自由な発想だ。こればかりは戦術うんぬんの問題ではない。それだけの質を持った選手を有し、配置できるか否かである。こうした攻撃面での「違い」を生み出すのは、得てして助っ人であることが多い。

 

 しかし現状では、頼れる助っ人は長期離脱しており、エースの野村直輝は対戦相手から執拗(しつよう)にマークされ、決定的な仕事ができない状況だ。ならば未知数の新顔を大胆に起用し、無名どころを一気に開花させるのはあまりにもばくちか―。監督という職業はかなりの確率で最後はクビになって終わる。今季か来季か数年後になるかもしれないが、片野坂監督もそれは分かっているはず。ならば、「もっと自分の色を出せばよかった」と後悔だけはしてほしくない。

 

屋敷優成ら若手の急成長に期待

 

 

(柚野真也)