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ヴェルスパ大分 高みへ導くラストピース金崎夢生 【大分県】

ヴェルスパ大分 高みへ導くラストピース金崎夢生 【大分県】

 卓越したテクニックに豊富な運動量、そして、何よりも勝負にこだわる闘志を代名詞とするFW金崎夢生が、ヴェルスパ大分の一員としてピッチに立った。JFL第19節のクリアソン新宿戦に後半20分から出場。コンディションは6、7割程度といったところだろう。体の強さ、キープ力で違いを見せたが、「勝ち越しのゴールを取りたかった」と金崎の望む結果には至らなかった。

 

 大分トリニータでプロキャリアをスタートした金崎は、日本代表に選出され、名古屋グランパスや鹿島アントラーズで数々のタイトルを獲得した経験がある。昨季はJ3のFC琉球でプレーし、シーズン終了とともに契約満了。今季はシーズンが始まっても所属チームが決まらない状況が続いていたが、8月末にヴェルスパ大分への加入が決まった。移籍先が決まらない期間も個人トレーニングで体を動かし、Jクラブや地域リーグのチームに練習参加させてもらい、いつでも試合に出られるようにコンディションは整えていた。

 

球際での強さ、執念をみせる金崎夢生

 

 とはいえ百戦錬磨の金崎であっても、試合勘や周囲とのコンビネーションなどを合わせるには期間が必要。「自分のプレーを知ってもらい、周りの選手の特徴を覚え、ゴールへの精度を高めたい」と語る。悲願のJ3昇格を目指すチームでの自身の役割はプレーだけでないことも心得ている。若い選手の多いチームにどんな振る舞いで「勝者のメンタリティ」を伝えようかと迷っている節はあるが、どんな試合でも「引き分けではなくて、勝ちを狙っていきたい」と勝利とゴールへの貪欲な姿勢がみなぎっている。

 

 背番号は87。これまでの所属チームでも大台の背番号を背負ってきたが「87」には意味を込めている。「大分で花(87)を咲かせたい」。それは自分自身への発奮材料であり、J3昇格を目指すチームの先駆者としての自覚でもある。新宿戦の会見後、「『花咲(はなさき)夢生』と呼んでください」とユーモアを交えて去った姿は、これまでと何一つ変わらず、サッカーに対する情熱も衰えていなかった。チームを高みへ導くラストピースが攻守両面で本領を発揮するようになれば、チーム力はワンランク上がるはずだ。

 

「大分でもうひと花咲かせたい」と語った

 

 

(柚野真也)