
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
全国高校総体バレーボール競技
男子 8月1日 ダイハツ九州アリーナ
予選グループ
大分工業0(21-25、19-25)2東北(宮城)
敗者復活戦
大分工業0(26-28、28-30)2松本国際(長野)
全国高校総体の男子バレーボールで大分工業が確かな爪痕を残した。予選グループで敗れ、敗者復活戦も惜敗したが、会場から大きな拍手が送られたのには理由があった。小兵ながら鍛え上げたレシーブ力で、相手の強烈なスパイクを拾ってつないだ。絶対的なエースはいなくても、地道に丁寧に一点一点を積み重ねた。
昨年11月の春の高校バレー県予選に敗れた後、新チームが発足。突出した選手がいなければ、180cmを超える選手も少ない。ここ数年で最も戦力の落ちるチームと言われたが、キャプテンの遠島飛童(3年)は「自分たちにしかできないスタイルをつくろう」と下を向くことはなかった。高さとパワーの攻撃的スタイルが好まれる昨今、まずは攻撃の起点となるサーブレシーブから磨き、アタッカーは軟打でブロックアウトを狙う。ブロックは「タイミングと指の形」を徹底し、スパイクを止めるのではなく、ワンタッチで勢いをそいだボールをレシーブ陣が待ち構える。
レシーブ力で勝負した
派手なプレーはなく、サイドアウトを確実に取る。江崎裕之監督は「最後に相手より2点多く取ればいい」と粘り強く戦うことを説き、選手は「これが自分たちの目指す道だ」と信じ、ブレることはなかった。
全国高校総体でも自分たちのスタイルを貫き、迷いもなかった。コートを動き回り、ボールを拾った。アタッカー陣も、ブロックアウトや相手のブロックの裏をかく軽打など、細かいプレーをたくみに使い分けた。
2試合とも善戦だった。江崎監督は「決め切る場面でポイントが奪えなければ勝てない。そこはパスの精度なのか、攻撃のバリエーションなのか。今後に向けて課題をもらった」と反省の弁を述べたが、その表情は決して暗くはなかった。遠島は「力がついたと思うが、勝たなければ意味がない。全国の強豪校は当たり前のことを当たり前にしている。勝ちたい思い、攻める気持ちが自分たちよりはるかに大きかった」と実感。春の高校バレー県予選に向けて、「自分たちのバレーに磨きをかけ、もう一度全国の舞台で勝負したい」と決意を固めた。
ブロックアウトやたくみな軽打でポイントを取った
(柚野真也)
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