
珠玉の一枚 Vol.40 【大分県】
剣道
全国高校総体剣道競技
8月6日 レゾナック武道スポーツセンター
男子団体決勝トーナメント
決勝 明豊0-3九州学院(熊本)
準決勝 明豊2-0桐蔭学園(神奈川)
準々決勝 明豊3-1島原(長崎)
1回戦 明豊2-1奈良大付(奈良)
大分開催となった全国高校総体の剣道男子団体で、明豊が準優勝。決勝は大会最多優勝回数を誇る九州学院と対戦し、0-3で敗れた。試合が終わった瞬間に岩本貴光監督は天を仰いだが、「選手はよくはい上がった。最後は残念だったが立派な試合だった。心からお礼を伝えたい」と感謝した。
16年前の全国高校総体で日田を優勝に導いたのが岩本監督だった。2013年に別府大学へ指導の場を移し、2016年に付属となる明豊高校で剣道部を創部した。6年目の全国高校選抜で頂点に立ち、今年は地元開催に花を添えようと日本一を目指した。名将は予選リーグからオーダーを組み替え、勝負に徹した。先鋒には手数が多く、アグレッシブな剣道を信条とする水口翔太(2年)を抜てきし、着実にポイントを取れる山下剣希(3年)、児玉輝心(同)を並べ、先行逃げ切りの形で勝負した。
敗戦が決まった瞬間に天を見上げた岩本監督
予選リーグは最も厳しいパートとなったが、福大大濠(福岡県)、小山(栃木県)に1勝1分で突破。決勝トーナメントの1回戦から準決勝までの3試合は、水口が先勝して勢いをつけた。「自分の役割は最初から飛ばし、次につなげること」(水口)と全開。先鋒の役割を果たしたが、決勝では相手が一枚上手だった。試合巧者の九州学院に先鋒戦で勝利を許し、勢いをそがれると、次鋒以降も流れを引き戻すことができなかった。
日本一にあと一歩届かなかったが、地元の応援を背に選手は持てる力を存分に発揮した。キャプテンの石原稜晟(3年)は「仲間を信じてチームが一つになれた。支えてくれた方々に、明豊らしい一本を狙う剣道を見せることができたので悔いはない」と言い切った。観客席には3年生の戦う姿勢と、負ける悔しさを見つめる下級生がいた。「3年生の大きな背中を目に焼き付けた後輩たちが、次はやってくれるはず」(岩本監督)。来年は創部10年目の節目の年を迎える。名実ともに「名門校」の仲間入りを果たした明豊の躍進は続く。
力を出し切った明豊のメンバー
(柚野真也)
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