国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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なでしこ鮫島らが来県 高まるメディカルチェックの必要性
今やメディカルチェックはアスリートにとって必須事項になっている。メディカルチェックは、病気を探す目的ではないので、単純な健康診断とは違う。問診をはじめ血液検査、尿検査、心電図・運動負荷心電図などの医学的検査を行い、競技力を低下させる要因を探り、スポーツ障害や運動時における不慮の事故を防止するために行われている。
とくに若い女性アスリートに多い内科的、婦人科的疾患に関しては、「女性ならではの健康管理が必要であり、定期的な検査が必要」と野口病院(別府市)の内野眞也医師。「自分では元気だと思っていても検査すると異常な数値が出ることはある。一方、ホルモン分泌の治療でパファーマンスが上がることはよくある。目に見えるけがの予防だけでなく、栄養摂取や月経コントロールなどの配慮も重要」と話す。
女子サッカー日本代表の鮫島彩や阪口夢穂らは、すでにLEP(低用量ピル)を服用してヘルスケアに留意している。毎年、年末のオフを利用して内科的・婦人科的検診を受けに野口病院や西別府病院(別府市)に通い、指導を受ける。今回も甲状腺エコーや骨粗しょう症検診、アスリート貧血検診などを受けた。
メディカルチェックを受ける阪口
鮫島は「代表合宿で突然の月経痛で倒れ込んだ選手もいた。月に1度どうしようもない痛みがくる不安を解消したかった」と10年くらい前からLEPを服用している。LEPはドーピング違反でも体に悪いわけでもない。「体質に合う、合わないはあるが、副作用による悪影響は回避することはできる」(内野医師)。選手が月経に関する情報を把握し、大会に合わせて月経周期を調節するなど、医学的なアドバイスは選手のコンディショニングに貢献している。
鮫島は月経が始まって数年間は何もなかったが、「突然痛みがきて、それからはかなり強烈な痛みに悩まされた」。サッカーの技術を向上させ、いい結果を出すためには食事やメンタル、環境などすべてが影響してくるが、「LEPのことも知識として頭に入れておいてもらえば安定したパフォーマンスが発揮できると思う」と話す。阪口も「LEPを使うことにより、月経痛の緩和だけでなく貧血を予防してパフォーマンスの低下を防ぐことにつながる。体のケアをするためにも知識は必要」と語る。アスリートとしての体を見詰め直すメディカルチェックの必要性は高まっている。
「LEP服用が安定したパフォーマンスにつながった」と語る鮫島
(柚野真也)