バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
バサジィ・フットサル 逆境で輝いた勝負強さ ホーム最終戦で逆転勝利
この試合を含めリーグ戦残り5試合で、バサジィにようやく勝負強さが戻った。ホーム最終戦となるアグレミーナ浜松との試合は開始から「ふわっとした感じで入ってしまった」と仁部屋和弘が話すように、4分にセットプレーから失点すると、5分、6分にも守備人数がそろいながらボールに対する寄せが甘く、追加点を許した。
今までのバサジィならば、ここで終わっていただろう。だが、この日は違った。3失点してから細かくつなぐパス、相手との1対1の駆け引きで上回り、圧倒した。守備では前方からのプレスがハマらないと判断すると自陣でブロックをつくり、相手の攻撃を封じた。
13分に田村研人が仁部屋のパスを遠いサイドで合わせて得点すると、石関聖、白方秀和が加点し、前半で同点に。後半は一進一退の攻防が続いたが、森村孝志が逆転ゴールを決めて4−3で逃げ切った。
「こういう試合がどうして今までできなかったのか。こういう勝負強さが、たまにではなく、いつも出るようになれば優勝争いもできたのに」
キャプテンの仁部屋は、こう振り返る。
逆転ゴールを決めた森村
今季は不安定な戦いが続いた。開幕から黒星が先行し、9試合も白星から遠ざかったこともあった。現在4勝7分18敗、クラブ史上最低の11位。低迷の要因はひとつだけではないが、本来の攻撃的なスタイルは鳴りを潜め、それとともに連動性も失われていた。「チームに迷いがあった」と多くの選手が話すように、勝てないことで不安が増大し、チーム全体に消極的なプレーが増えた。
開き直るまで時間はかかったが、田村研人は「来季もここでプレーできるかなんて分からない。ならばそれぞれが自分らしいプレーをして、アピールしよう。とにかく前へという気持ちが逆転につながった」と話すように、これからの戦いは個々の価値を高める試合となる。ただ、選手はみな「勝たなければ評価は上がらない」こと、チームの勝利への貢献度が重要項目であることを知っている。
バサジィの戦力を考えれば、“らしくない”試合が続いたが、ホーム最終戦、そして7試合ぶりの勝利は何よりも薬となる。すでにプレーオフの望みは消えているとはいえ、今年1年取り組んできたことを無駄にしないためにも、残り4試合で攻撃的なフットサルの集大成を見せたいところだ。
「チームに勝負強さが戻った」と語った仁部屋
(柚野真也)