
大分トリニータ シーズン総括 戦い方を徹底できず低迷、降格危機で現実路線へ 【大分県】
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153cmの小さな体が大きく見える―。集中力が高まると体中から気迫があふれ、所作すべてにキレが増す。大分開催となった全九州高等学校新人空手道大会の女子個人形で、斉藤瑶葵は1年生ながら見事優勝に輝いた。「地元開催でプレッシャーがあったが、大きな形を打つことができた」と本人も納得の出来だった。
小学3年の頃、映画「ベスト・キッド」を観て、空手に憧れた。両親は一人娘に何か起きたときの助けになると考え一緒に道場を巡った。訪れた道場には世界大会で活躍する大分市出身の大野ひかるが所属していた。斉藤は「一目見てカッコいいと思い、すぐに入門した」と当時を振り返る。
運動神経が良く、器用だった斎藤は、大野を手本とすることで瞬く間に頭角を表し、全国で活躍する選手となる。大野が卒業した大分南高校に入学するのは自然の流れだった。高校生になってすぐに「中学までの貯金では通用しない」と感じた斉藤は、体幹を鍛え直し、自らの形を見直し、力強さを表現できる工夫を凝らした。また、「形も組手も両方することで足りないものを補えるようになった」と“空手レベル”を総合的に上げた。
九州大会では個人形で優勝
6月の県高校総体で個人形2位となり、インターハイに出場。2回戦で優勝者に敗れたが、「緊張せずに全部出し切れた。力の差は感じなかったし、やれると思った」と大きな手応えを感じた。インターハイが終わり、地道な鍛錬で足腰を強化。得意の形クルルンファに磨きをかけ、これまで挑戦したことのない形も取り入れ、種類を増やした。
10月の大分県高等学校新人空手道競技大会の個人形では、相手にポイントを与えず優勝し、団体の組手、形でも優勝の原動力になった。勢いそのままに九州大会でも実力を発揮した。3月の全国高等学校空手道選抜大会では個人形、団体組手に出場する。「ここまでは想定内。全国大会では結果にこだわりたい」と、まずはベスト8入りを目標とし、そこをクリアした後は日本一を狙う。目標は明確だ。
3月の全国大会に向けて鍛錬は続く
(柚野真也)
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