
珠玉の一枚 Vol.41 【大分県】
その他
クラブチームや大学、高校またユースからジュニアに至るまで、さまざまなクラブ、部活にオー!エス!編集部がお邪魔する「クラブ・部活訪問」。2回目は創部7年目で強豪校と呼ばれるほどの力をつけた大分高校女子ハンドボール部を訪問した。短期間のうちにメキメキと実力をつけてきた同校の強化法とはいかなるものだろうか。
「堅守速攻」をスローガンにチームを強化して7年目。5度のインターハイに大分県代表として全国の舞台に立ち、3年目でインターハイ3位となった。3年生が部活を引退し、初めての公式戦となった11月の大分県高等学校新人ハンドボール競技大会では2試合で65得点8失点と圧勝し、2年ぶり4回目の優勝となった。
瀧元泰昭監督は、「他校は部員不足などの問題があり、優勝したからといって実力があるとは思っていない。ただ、国体などがあり新チームになって準備期間が少ない中で失点が少なかったのは収穫」と振り返る。
新チームの特徴は、一人ひとりの技術が高いが、その半面、フィジカルが弱い。体力向上がこれからの課題だ。コンタクトプレーの多いハンドボールにおいて、九州、全国で勝ち上がるためには欠かせない。特に課題が浮き彫りになるのが攻撃だ。「横パスが多く流れる展開になるので、ポストプレーを増やして縦に崩す攻撃を増やす必要がある」(瀧元監督)。
県新人大会では圧勝し、2年ぶり4回目の優勝
県新人競技大会を終えたこの時期、どのような練習を積み重ねているのだろう。瀧元監督は「練習から100%の力を出す」よう選手に求め、練習メニューの強度を上げている。また、中高一貫校であることから中等部の男子ハンドボール部と合同で練習することで男子並みのフィジカル強化を進めている。キャプテンの高山彩音(2年)は、「一瞬のスピードや当たりで負けることはあるけど、慣れてくるし、どうすれば補えられるのか考えるようになった」とチーム全体の成長を感じている。
この日の練習では、アップ、ストレッチを終えてから体幹中心のフットワーク、基本的なパス練習以降、フルコートでの2対2や3対3と人数を増やしていき、好守の切り替えを徹底させていた。走るコースやタイミングの判断を意識づけし、そこから数的有利をつくり、相手を崩すことに重点を置く。指導の根底には「一人ひとりの状況判断」という一貫した考えがあり、疲労したときほど正確な判断ができるように体力強化が必要と考えている。
「詰め込み過ぎると頭がパンクするので、集中できるように短時間の練習メニューに切り替え、毎週水曜日はオフを入れてリフレッシュできるようにしている」と瀧元監督は語る。
今月23日から始まる全国高等学校ハンドボール選抜大会九州地区予選大分県予選大会で県代表の座を射止めるために、「常に全力プレー」を再認識し、練習を積んでいる。来る九州地区予選、その先の全国選抜大会も視野に入れた練習は、その成果をきっと発揮するはずだ。
中等部男子と合同練習でフィジカル強化を図る
(柚野真也)
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