明豊高校卓球部 渡辺莉々子(3年) file.826
卓球
明豊高校男子卓球部 全国常連校の強さの秘密は、高速卓球と圧倒的な練習量
クラブチームや大学、高校、またはユースからジュニアに至るまで、さまざまなクラブや部活にオー!エス!編集部がお邪魔する「クラブ・部活訪問」。第1回は県高校新人大会の団体戦で3年連続15回目の優勝を果たした明豊高校男子卓球部だ。数多くのタイトルを手にした同校の強さに迫る。
体育館の中には、ラケットでボールをはね返す音がリズム良く響き、あちこちから自然に仲間を叱咤激励する声が響いてくる。「ミスを恐れるな」、「足を使って!」。選手たちが高い集中力を持って練習に臨んでいる証拠だ。
11月にあった大分県高等学校新人大会卓球競技の団体戦で3年連続15回目の頂点に立った強豪校は、県内では圧倒的な強さを誇る。1年生3人、2年生3人の少数精鋭だが、県新人大会ではシングルスでは上位6位を独占し、ダブルスでは優勝した近藤蓮(2年)・渡辺龍介(1年)ペアを含め3組がベスト4に入っている。目標は県内ではなく九州、全国で勝つこと。15日から始まる全九州高等学校新人卓球選手権大会では、明豊は優勝候補として目されている。
その明豊の強さは何といっても、持ち前のスピードに裏打ちされている。これは毎年のメンバーが変わろうとも変わらない、明豊卓球部の不変の哲学のようなもの。藤本賢司総監督は、明豊のスタイルについて次のように語る。
「目指すスタイルは高速卓球。ボールを早く捉えて、相手に考える時間、反応する時間を与えない」
県新人大会の団体戦で優勝した
その言葉通り、この日の練習でも速さを意識したメニューが組まれていた。安定したボールを打てるようになるために「とにかくボールを打つ」。早いテンポで球出しし、スイングをコンパクトにしてインパクトの瞬間だけ力を入れて打ち返す。「速く、強く、正確に打つために、数多くのボールを打って感覚を身につけることが大事」と藤本総監督。
平日は15時から20時50分まで、土日祝日は8時から18時と練習量は他校を圧倒する。平日は練習の合間に補食を取り、食育にも積極的に取り組んでいる。土日祝日はほとんどの大会が9時から始まるため、体内時計を合わせるために試合がある時間帯に練習時間を設定している。「勝つために何でも取り入れたい」とはキャプテンの近藤。無駄なものを排除するために試合前々日に頭を丸めるのは、もはや伝統の儀式。これまでインターハイ、国体、選抜大会など数多くの全国大会に出場し、輝かしい実績をつかんできた先輩たちへの憧れとともに、「自分たちが最高の結果を残したい」という強い決意がある。まずは九州でNo.1の称号を獲得し、3月の全国高校選抜大会へ勢いをつけたい。
圧倒的な練習量で正確にボールを打つ感覚を身につける
(柚野真也)