明豊高校卓球部 渡辺莉々子(3年) file.826
卓球
明豊高校 全国で「勝てるチーム」目指して成長中
「県大会では優勝したけど戦術も技のレベルも低い。これでは九州で勝てない」と猛省する明豊の髙橋花。先月行われた大分県高等学校新人大会卓球競技で団体、ダブルス、シングルスで優勝したが、浮かれた様子はない。今月15日から始まる全九州高等学校新人卓球選手権大会に向けて、キャプテンとしてチームを引っ張る覚悟だ。
3年生が部活を引退し、最上級生となった。今夏のインターハイは3年生に実力者が揃い、「連れて行ってもらった大会だった」と髙橋。しかし、1、2年生も実力は十分。県新人大会ではシングルスで上位8位を明豊が独占した。選手層は厚く、団体戦では誰が出ても一定レベルの試合ができる。それでも冒頭の髙橋の言葉通り、九州、全国での上位進出を目指す明豊にとっては物足りなさを感じる。
松本香織監督は「実力は均衡しているがエースと呼べる選手がいない」と話す。今回は髙橋が3冠を達成したが試合をする度に順位が変動し、飛び抜けた選手がいない。「勝てるチーム」になるためには、精神的に引っ張っていけるリーダーや、試合の流れが読める選手が必要だと感じている。
そこでキャプテンに指名されたのが髙橋だった。松本監督は「相手を押しのけてまで自分が前に出るような選手が少ない中、髙橋は負けん気が強く、チームに勢いを与えてくれる」と起爆剤として期待している。髙橋自身、責任感と自覚が芽生え始めた。
県新人戦で団体、ダブルス、シングルスで優勝した髙橋
勝負どころの駆け引きやメンタル面の成長を促すために、最近は練習からビデオを撮影して、自分のプレーを客観的に分析している。「まずは自分を知ること。そうでなければ指導者がアドバイスをしてもイメージが共有できない」(松本監督)からだ。ビデオ導入により、自分が相手からどう見られているかを意識するようになり、相手のクセを見抜く力もついてきた。
そこで大事になってくるのが「気持ち」や「戦う姿勢」だ。「勝つためにできることは何でもしたい」と選手は貪欲になった。「全九州までの2週間で一気に技術が高くなることはないが、持っている引き出しを全て使い、接戦をものにできる気持ちを高めたい」(髙橋)と気合い十分だ。
目標は全国大会での勝利
(柚野真也)