国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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3年生、夏物語2023 水球男子 最後の砦として勝利に導く 榧木大輔(大分商業3年) 【大分県】
7年ぶりに国体出場を決めた水球少年男子の守護神・榧木大輔は、好セーブを連発した。勝利した瞬間は、歓喜する仲間と抱き合って涙した。榧木は「チーム一丸となって妥協せずに練習してきた。努力が報われたことがうれしい」と歩んできた日々に思いをはせた。
4歳から通った空手、小学4年から始めた陸上、いずれも高校入学を機にやめたのは、水球に没頭するためだった。「中学3年の時に水球の見学に行って、チームスポーツをしたいと思った」(榧木)。泳ぎは体育の授業で習った程度。人並みに泳げるレベルの泳力であったが、陸上で鍛えた脚力と空手で備えた闘争心がGK向きだった。優秀なGKの条件に「身体能力の高さ」「読みの鋭さ」「視野の広さ」を挙げる人は多いが、永松拓真監督は「(榧木は)何が秀でているかと言えば、とにかく一生懸命でチームを盛り上げてくれるところ」と話す。
好セーブで国体出場に貢献した
国体九州ブロックの初戦は体調不良で欠場し、自宅で敗戦の知らせを聞いた瞬間、次の日の敗者復活戦となる第3代表決定戦の出場を決めたという。「これまで一緒に頑張ってきたみんなのために力になりたい。2連勝すれば国体に出場できる」と悲壮感はなかった。体調は万全ではなかったが、試合ではこれまで積み重ねた練習がものを言った。パンチング一つとっても、遠くに弾き飛ばす。「入れられるものなら、入れてみろ!」との心の叫びがプレーににじむ。榧木の並々ならぬ気迫が、チームの士気を高めるのに大きく貢献したのは確かだった。
沖縄、宮崎を相手に僅差で逃げ切り、国体への出場権を手にした。榧木は勝利の立役者となったが、「シュートを止められたのはみんなのおかげ」とチームメートに感謝した。決定機を阻止した最後のプレーは自分だが、仲間がシュートコースを限定させ、プレッシャーをかけようと相手選手との間合いを詰めてくれた。これまで悔しい敗戦をしたが、そのたびに修正点を細かく話し合って、絆を深めてきた。「時間をかけて築いた守備は、簡単に崩れない」との思いがあった。榧木にとって初めての全国の舞台が国体となる。「みんなと一緒に勝利を目指す」と気負うことなく、3年間の集大成を発揮するつもりだ。
3年間、苦楽を共にした同級生との絆は深い
(柚野真也)