
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
高校3年間、部活動に励み、精一杯の努力を続けた3年生。それぞれの競技で高校最後の晴れ舞台を目指し、県予選を戦った。一つひとつのプレーに歓声がわき、ゲームセットで悲鳴のような声が響く。ここでは敗者が多数だ。全国大会への切符を手にするまでの道は険しい。負けて涙を流す者、全てを出し切り笑顔を見せる者。そんな3年生の姿を追った。
鶴崎工業高校サッカー部
肥後俊介
ポジション:DF
学年:3年
身長・体重:167cm・58kg
出身中学校:明野中学校
「やっぱり全国への壁は高かった。36年ぶりの決勝進出というだけでも嬉しいけど、優勝したかった…」。決勝戦を終え、涙をこらえながらこう話した肥後俊介。全国高校サッカー選手権大会大分県大会準決勝の中津東戦では途中出場だったが、決勝戦では先発メンバーとしてピッチに立った。シュートブロックやカバーリングなどDFとして素晴らしいプレーを見せた。
優勝を目標にし、どのチームよりも走り込んだ自信があった。早朝練習も居残り練習も重ねて努力した。遠征では県外の強豪高校との練習試合を行い、多くの経験を積んだ。決勝戦は今までの努力を自信に変えて、“絶対優勝”の思いで挑んだ。
決勝戦では体を張った守備で奮闘した
堅守速攻を掲げる松田雄一監督の指導のもとでは、“守備からの攻撃”が武器となる。守りの要であるDFとして、特に決勝戦では厳しいマークができたと振り返ったが、相手の実力が勝ると感じるプレーもあり、練習通りの動きができなかった場面もあったと反省した。何度か迎えたチャンスで得点できなかったことに対しても悔しさをにじませた。
決勝戦直前、松田監督は「どのチームより控えの選手層が厚いことに自信を持て。安心して戦ってこい」という言葉で送り出したという。県高校総体後に引退する3年生も多い中、鶴崎工業は3年生全員が残り、今大会を一緒に戦い抜くことを決めた。これも精神的な支えになっていたようだ。「3年間一緒に練習してきた仲間が見守ってくれている。そう思うと全力で戦えた」。1年生から一緒に切磋琢磨してきた仲間との最後の戦いは準優勝に終わったが、ノーシードながらここまでの成績を残したことは3年間の集大成として素晴らしい結果だ。
後輩にはこんな悔しい思いをしてほしくないと語りながらも、決勝戦は良い試合ができたと振り返る。卒業後は就職が決まっているようだが、サッカーも続けていくとのこと。
今大会では“堅守速攻サッカー”を体現した
(黒木ゆか)
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