大分上野丘高校ラグビー部 佐藤武信(3年) file.827
ラグビー
全国高校ラグビー大会大分県予選大会 決勝レポート 大分舞鶴32年連続56回目のV
大分舞鶴33ー0大分東明
(前半14ー0)
(後半19ー0)
高校ラグビーの聖地・花園への切符を懸けた全国高校ラグビー大会県予選決勝が12日、大分市営陸上競技場で行われた。今年も昨年と同じく大分舞鶴高校と大分東明高校の対戦。絶対王者の大分舞鶴に初優勝を目指す東明が挑む形となったが、大分東明は大分舞鶴の強力FWを崩すことができず、舞鶴に32年連続の優勝を許した。
試合が動くのは早かった。前半開始からわずか1分、立ち上がりは大分東明が持ち味であるBKの素早い展開を見せたが、オフサイド。これを受けて大分舞鶴がペナルティキックからラインアウトで左へと展開し、最後は俊足の左ウイング工藤光平(2年)が3人をかわして鮮やかにトライ。今大会、ずば抜けたキックの精度を誇る吉田浩紀(3年)がコンバージョンゴールを確実に決め、7点を先取した。
これに対して大分東明はBKで勝負を仕掛け、ハイパント攻撃に大分舞鶴が応酬する形となる。両者とも決定的な攻撃につながらない時間が続いたが、前半終了間際に大分舞鶴が得意のモールでじわじわとインゴールへ近づき、最後はプロップの丸田晶大(3年)がトライ。反撃する大分東明もインゴールまであと5mというところまで迫ったが、舞鶴のディフェンスを崩せなかった。
強力FWで突破を図る大分舞鶴
速い展開をしたい大分東明、FWを中心にじっくり試合を運びたい大分舞鶴。それぞれのプレースタイルを封じ合う試合運びとなったが、後半も大分舞鶴が7分、12分に立て続けにトライ。「舞鶴FWの運動量が落ちるときが勝負」と読んでいた大分東明・白田誠明監督。後半終了間際に大分東明BKの動きが目立つようになったが、大分舞鶴はあわてず対応し、めまぐるしく攻守が入れ替わる中、迎えたロスタイムで大分舞鶴がダメ押しのトライ。そのままノーサイドとなり、大分東明フィフティーンは芝の上に崩れ落ちた。
東明は、アクシデントにも見舞われた。大会2週間前にプロップの渡邉大輔(3年)が急性白血病と診断され戦線離脱。決勝戦では後半、キャプテン長野剛吉(3年)がタックルの際に脳しんとうで交代し、攻守の要を欠いた。その分「勝ちたい」という思いは強かったが、自慢のBKをもってしても舞鶴には及ばなかった。
晴れて32連続、56度目の花園切符を手にした舞鶴は、1か月後の全国大会に照準を合わせる。堀尾大輔監督は、「今日の試合でも点を取れる局面で取りきれなかったところがあり、FWとBKの連携を修正していきたい。たくましさとしたたかさをもっと備えて全国へ挑みたい」と前を向いた。まずはベスト8入りを目指している。
今年も他校を寄せ付けず県予選を突破した
(冨松智陽)