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全国高等学校サッカー選手権大会 決勝戦レポート 大分西が底力を発揮し初の栄冠!

全国高等学校サッカー選手権大会 決勝戦レポート 大分西が底力を発揮し初の栄冠!

大分西3−1鶴崎工業 

(前半0−0)

(後半3−1)

得点者:幸航平(大分西)、植木祥太郎(鶴崎工業)、加藤健多郎(大分西)、渋谷駿介(大分西)

 

 高校サッカー界最大のタイトルである全国高等学校サッカー選手権大会の出場権を懸けた戦いが12日、大分銀行ドームで行われた。初出場を目指す大分西高校と36年ぶりの出場を目指す鶴崎工業高校の一戦は、大分西が悲願の優勝を遂げた。

 

 立ち上がりは、大分西がパスワークをベースとした攻撃で前評判通りの強さを見せて押し込む。だが、鶴崎工業の4バックの後ろにさらに1枚のDFを残す“守備的システム”を崩すのは容易ではなかった。徹底したマンマークにも苦しみ前半はシュート1本で終えたが、「前半の0−0は想定内。焦れずに攻撃することを心掛けた」とキャプテンの宮崎優成(3年)。

 

 後半も攻撃の手を緩めなかった大分西は48分に、クロスから幸航平(3年)が頭で合わせ待望の先制点を奪う。一気に大分西に流れが傾くかと思われたが、鶴崎工業は失点直後に攻撃の切り札・植木祥太郎(3年)を投入する。高い位置でプレスをかけて相手のミスを誘い、59分にPKを決め試合を振り出しに戻す。「相手の足が止まりはじめ一気に勝負をつけたかった」と、鶴崎工業の松田雄一監督は攻撃のカードを次々と切った。今大会ノーシードから勝ち上がったチームは守備的な戦術がクローズアップされてきたが、決勝ではカウンターから決定機をつくった。しかし、そのチャンスはゴールポストやバーに弾かれる不運もあり実らなかった。

 

先制点を決めた大分西の幸(9番)

 

 大分西は苦しみながらもパスをつなぎ、自分たちのスタイルを貫いた。73分にPKで加藤健多郎(2年)が追加点を奪い、80分にはCKの流れから渋谷駿介(2年)が押し込み、2点をリードし試合を決めた。宮崎は「同点に追いつかれても焦りはなかった。僕たちは2年連続決勝戦で負け、悔しい思いをしてきた。絶対に勝つという強い気持ちで80分戦えた」と勝因を上げた。首藤啓文監督も「志を高く持ち、全力で戦った。いつも通りに自分たちのプレーができた」と会心の勝利に笑顔を見せた。

 

 首藤監督は、2年連続で優勝を逃したことをネガティブに捉えていなかった。2年間の悔しい思いを積み重ねて今があると信じていた。「2度あることは3度ある」という言葉をあえて口にし、「3度目の正直」と対の言葉なんだと選手に説いた。「どちらの言葉も結果に付随する。ならば自分たちの持ち味を発揮して、結果を出そう」と選手をピッチに送り出した。監督の信念、大分西のスタイルを選手たちが具現化し、優勝というひとつの結果を残した。

 

大分西は自分たちのスタイルを貫き3点目を奪った

 

(柚野真也)

 

大会結果