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バサジィ・フットサル バサジィのエースとして、日本代表のエースとして

バサジィ・フットサル バサジィのエースとして、日本代表のエースとして

 リーグ序盤は怪我で長期離脱を強いられたが、8月末の復帰後は低迷するチームの起爆剤となり勝利に貢献している。また、フットサル日本代表にも招集され、11月3日から始まるAFCフットサル選手権でチームと同じ「背番号10」を背負い戦う。

 バサジィのエース、日本のエースとして長らく頂点に君臨する仁部屋和弘が、胸の内を語ってくれた。

 

プレー強度を上げるのは練習が全て

 

Q:全国高等学校サッカー選手権大会(選手権)大分県大会が大詰めを迎えています。仁部屋選手は柳ケ浦高校時代に選手権に出場したことがありますよね。

A:高校3年のときに出場しました。初戦で青森山田高校と対戦して負けました。そのときに相手チームに怜くん(大分トリニータ・松本怜)がいました。懐かしいですね。この時期になるとふと思い出します。

 

Q:フットサル界で選手権出場はステータスであったりしますか?

A:それは全くないですね。そもそも別の競技ですし、チヤホヤされたこともない。ただ、ネタとして会話のきっかけにはなります(笑)。

 

Q:では本題に。8月末に怪我から復帰しましたが、バサジィはこれまでになく低迷していました。キャプテンとして、どう感じていましたか?

A:スタートダッシュに失敗したのが全てだったと思います。外から見ていて感じたのは選手に迷いがあったこと。それとプレーの強度が足りないと思っていました。試合の前半に相手にボールを回され、後半にバテることが多かった。守備の狙いどころが定まっていなかったこともあるのでしょうが、やはり練習から強度を上げないと試合で発揮することはできない。僕が復帰してからは、「練習がすべて。練習でできないことは試合でできない」と何度も言い続けています。

 

Q:現在の手応えは?

A:今は走り負けすることも、試合で力負けすることもなくなったと感じています。チームとしても昨年より一体感も出てきた。ただ、ディフェンス力がまだまだ。失点が多く、安定感がない。個々の能力の問題もありますが、同じ考えをチームとして描けていない。プレーの強度、相手マークへの寄せ、パスコースを切るところなど徹底できていない。セットプレーの失点も相変わらず多い。そこを修正しないと勝つのは難しいですね。

 

仁部屋の復帰とともにチーム状況は上向きに

 

フットサル脳を高める必要がある

 

Q:昨シーズンもセットプレーからの失点は多かったですよね。

A:セットプレーの認識が甘いんです。海外ではセットプレーの位置づけはかなり高い。高度で緻密です。セットプレーは駆け引きであり、戦術が凝縮されている。バサジィでいえば、セットプレーのオフェンスのレベルが低いから、守備の練習をしても大したレベルまでいかない。まずはセットプレーのオフェンス力を高めないといけない。それには“フットサル脳”を高める必要があるのかなと思います。

 

Q:そのフットサル脳を高めるために必要なことは?

A:個人の引き出しを増やすことです。そのためには見ること。試合の映像、普段の練習を見て、感じ取るしかない。相手がこの形で、こう動いたら、こんなことがあるよねというイメージを増やさない限り体は反応しない。選手は日頃から貪欲にプレーを見て盗む習慣をつけないといけないです。僕は運が良かった。若いときから日本代表に入っていたので、海外のプレーや最先端のフットサルに触れることができました。だからこそ、この経験をチームに還元したいし、選手としての心構えを若い選手に伝えたいと思っています。

 

Q:今季のバサジィは原田浩平選手や山蔦一弘選手ら30歳を越えるベテラン選手が加入しました。彼らがチームにもたらしたものは?

A:個人的にはすごく楽になりました。同じ価値観でフットサルを見ることができ、共有できるのは助かります。バサジィは若い選手が多いので、練習から手本となる選手が増えたのは、いい環境になったと思います。

 

Q:3巡目に入り、リーグ終盤を迎えます。今後はどのような試合をしたいですか?

A:とにかく1つでも多く勝つ。目の前の試合に集中して、ファン、サポーターに勝つ試合を見せたい。“勝者のメンタリティー”を持って試合に臨みたいです。

 

勝つためには勝者のメンタリティーが必要

 

世界一の選手になる自信はある

 

Q:では、日本代表について聞きたいのですが、怪我から復帰して1カ月ほどで代表のトレーニングキャンプに招聘(しょうへい)されました。19歳から選ばれ続け、約10年間も代表のトップに立ち続けています。日本代表への思いは?

A:今も代表に呼んでもらえるのは光栄です。監督が代わっても中心選手として扱ってくれます。それと同時に責任の重さも感じています。前回のワールドカップに出場できなかったのは自分の責任だと思っているし、全ては自分次第という思いは強くなっています。

 

Q:チームでも日本代表でも「背番号10」を背負っています。

A:前日本代表監督のミゲルに「背番号10はエースの証明。対戦相手からのマークも厳しくなるが、誰にも負けないプレーをするのが10番であり、エースの仕事だ。世界一の選手になりなさい」と言われたことは忘れられません。これからも背番号10を背負って、最高のプレーをしたい。世界一の選手になる自信はあるし、それを証明したいです。

 

Q:11月3日からAFCフットサル選手権が始まります。日本代表の再スタートとなる大会です。意気込みを聞かせてください。

A:これからのフットサルを盛り上げるためには絶対に負けられない大会です。コンディションの不安はありますが、最高のパフォーマンスでチームを勝利に導きたい。最高の結果をチームに持って帰って、残りのリーグ戦の起爆剤にもしたいです。

 

日本代表エースとしてAFCフットサル選手権での優勝を目指す

 

(柚野真也)