県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
高校野球 グッドルーザーの夏 最強の6番打者としてチームに貢献した疋田祐輝(佐伯鶴城3年)
全国高校野球選手権大分大会
準決勝 7月22日 別大興産スタジアム
佐伯鶴城 001 030 030 |7
大分舞鶴 010 030 004×|8
最強の6番打者の挑戦は終わった―。佐伯鶴城の疋田祐輝は163cm、80kgのがっしりとした体から、低く強い打球を飛ばした。準決勝の大分舞鶴戦では五回と八回に適時打を放ち、3点リードで最終回を迎えた。「試合運びは良かった。第1シード(大分舞鶴)の高い壁を越えられなかった」と逆転負けを喫し、10年間の野球生活に終止符を打った。「小学生の頃から始めた野球。大好きだったから挫折を乗り越えられた。いつも支えてくれ、応援してくれた両親にありがとうと言いたい」と感謝の言葉を述べた。
決して体格に恵まれていたわけではないが、努力で屈強な体を手にした。「スクワットで下半身を、ベンチプレスで腕を鍛えた。努力はうそをつかない。これまで外野フライだった打球が長打になり、詰まっても外野の前に落ちるようになった」と話す。身長の低さも武器にした。「みんなより目線が低いので、高めのボールを見極めて、低めの球はうまく打てる」。常に前向きな姿勢で野球に取り組み、昨年の夏は2年生ながら試合に出た。
チャンスの場面で結果を出した疋田祐輝
新チームになってからも中軸を担ったが、4月に赴任した渡辺正雄監督から、「甲子園に出るようなチームは6番打者が重要になる。大事な場面で打順が必ず回ってくる」と促され、快く受け入れた。「心に火を付けてくれる監督」(疋田)の言葉は響いた。チャンスの場面では「ここで打たなければどうするんだ」とのげきが闘争心をあおり、集中力が高まって打席に立てた。チャンスにめっぽう強い打者として、今大会チーム最多の9打点と結果を出した。
それでも1996年以来の甲子園出場はかなわなかった。「悔いはないとは言い切れないが、『6番打者』としてチームに貢献できたと思う」と胸を張った。帽子のつばの「豚勝」の文字は、太ももが70cmまで大きくなった自慢の体で勝利を目指そうと、マネージャーに書いてもらったもの。「『えっ?』て顔をされたけど、僕の好きな言葉だからと言ったら快く書いてくれた」と笑顔で球場を後にした。
今大会9打点と結果を残した
(柚野真也)