県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
高校野球 3試合連続コールド勝ち、投打に隙なしの明豊
全国高校野球選手権大分大会
準々決勝 7月20日 別大興産スタジアム
鶴崎工業 000 10|1
明 豊 170 3×|11
今大会初めての雨天順延も何のその。2大会連続優勝を狙う明豊が鶴崎工業に11-1で快勝し、準決勝に進出した。川崎絢平監督が「(順延の影響は)全くない。いい準備ができている。低く強い打球を意識し、バントと足を使うことができた」と振り返ったように、打者はボール球に手を出さず、狙い球を絞り強振する。塁に出れば犠打や盗塁で得点圏に走者を進め、確実に得点につなげた。
そつのない攻撃に加え、今年のチームは長打もある。二回無死満塁の場面で9番・杉本天聖(2年)が走者一層の適時三塁打を放ち、さらに2番・宮崎元哉(3年)に左越本塁打が飛び出し、この回に7点のビッグイニングを作って一気に試合を決めた。今大会2本目の本塁打を放った宮崎は、「昨日から相手ピッチャーの緩い球をイメージしていた。強く振ることだけを考えていた。(柵を)越えるとは思わなかった」と、ヒットの延長に本塁打があると言う。
それは川崎監督の言葉からもわかる。「長打はこのチームの良さでもあるが落とし穴にもなる。ホームランを打つための逆算ではなく、打つべきボールをバットの芯に当てた結果がホームランならいい」。監督の考えがチームに浸透しているからこそ、フライアウトは少なく、打線に切れ目がなく、どこからでも点が取れるのだろう。
狙い球を強振することを徹底する明豊
投手起用は短いイニングを継投でつなぐ。鶴崎工業戦も、杉本が4回を最少失点でつなぎ、東家迅(2年)が五回を3人で抑えた。川崎監督は「昨年に比べて投手陣の力は劣るが、1人の選手に頼らず、それぞれが役割をこなせばいい」と話し、3試合で6投手をマウンドに送った。ここまでチームの総失点は5。打線がチームに勢いをもたらし、投手陣は相手に流れを渡すことなく試合を作る。
投打に隙なく、盤石だ。キャプテン代行の牧野太一(3年)は「試合を重ねるごとにプレッシャーから解放されているが、一人一人が意識高く、チームでやることを徹底できている。目の前の試合に集中したい」と慢心はない。川崎監督は「3試合順調にきているが、夏の大会は何があるかわからない」と話し、一戦必勝で次の試合に集中することを強調した。
今大会初登板となった東家迅
(柚野真也)