
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
「一人ひとりが責任を持って、勝つためにハードワークしたい」
Jユースカップに向けて意気込みを語る城戸杜(高校3年)の言葉に3年間の成長を感じる。天才肌のレフティは高校から大分トリニータU−18に加入。当時から頭角を現し、攻撃の中核を担う選手だった。2年時にトップチームの練習に参加した際に、片野坂知宏監督が「左足独特の雰囲気のある選手」と一目置いた。
ただ、メンタル面の起伏が激しく、好不調の波が大きかった。気持ちが入ったときはプロ選手のようなプレーを見せるが、その逆のときは“ピッチから消える”こともあった。鈴井智彦監督が就任してからは、「常にピッチでハードワークできる選手でなければベンチから外す」と明確な方針を告げられた。キャプテンであっても、チームの中心選手であっても試合に出られない。試合前まで先発メンバーが分からない環境、チーム内の選手間競争が厳しくなったことが城戸をワンランク上の選手へと導いた。
「試合までの準備。特に気持ちの持っていき方など、サッカー以外の部分が成長したと思う」と本人が語るように、メンタルの安定がプレーの安定につながった。これまで以上に俯瞰(ふかん)してピッチを見られるようになり、一発で局面を打開できるアシストも増えた。また、気持ちを前面に出したハードワークも持ち味のひとつに加わった。
将来の目標は「プロになること」であり、「海外も視野に入れたい」と見据える先は壮大だ。ボールを持てば何かやってくれそうな雰囲気があり、期待感を高めてくれる選手である。
U−16日本代表を皮切りに各年代代表に選出される有望株だ。酒井将輝(高校3年)を巡って、Jリーグアカデミー、地元熊本の強豪校のスカウト合戦が繰り広げられたのは3年前。「ハード面の充実も選んだ理由だが、指導スタッフの熱意がすごかった」と大分トリニータU−18に加入した。
1年時に急成長を遂げ大ブレイク。日本代表に選ばれ、国際試合を経験したことでサッカー観が一気に広がった。プレーの判断が速くなり、サイドを主戦場に上下動を繰り返す。正確なクロス、カットインからの豪快なミドルシュートが代名詞となった。
右肩上がりに成長する姿に期待は膨らんだ。だが、「戸惑うことが増え、対応しきれなかった」と伸び悩んだ時期があった。チームの監督が3年間で3度変わり、代表との戦術の違いに悩んだ。プレーのキレを失い、持ち味の思い切りの良さもなくなったが、それでも代表に選ばれるのは酒井のポテンシャルの高さの証だ。
最近は壁を乗り越えたのか、チームスタイルの縦に早いサッカーを表現できるようになり、「その中でポゼッション(ボール支配率)を高めることや、相手の背後を狙う動きができるようになり得点できるようになった」と笑顔が戻った。酒井ら高校3年生にとって最後の公式大会となるJユースカップに向け、「自分たちがやってきた3年間のサッカーを見せたい。この大会で勢いに乗ってプレミアリーグ昇格を目指したい」と話す。
卒業後は大学進学を目指しており、「1年から試合に出て、ユニバーシアード日本代表にコンスタントに呼ばれる選手になりたい」と明確な目標がある。どんな戦術であっても柔軟に対応できるようになった酒井。今後の成長が楽しみだ。
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