国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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大分トリニータ 「チームを上向きに」 井上健太が武器のスピードを生かし相手の脅威になる
リーグ戦5試合未勝利、大分トリニータが失速している。1年でのJ1復帰を目指すチームは、18試合を終えて5勝7分6敗で15位にいる。18節の秋田戦を終えて、下平隆宏監督は「なかなか勝てない。いい形で先制点は取れたが追加点が取れない。警戒していた形から失点した」と反省したが、「けが人が増える一方で(復帰して)戻ってくる選手がいない」と台所事情の厳しさを嘆いた。
前の試合から大幅に先発メンバーを入れ替えることが多いのは、けが人が多いゆえの苦肉の策といえる。ただ、その中で出場機会を得て、先発定着を目指す選手もいる。大卒2年目の井上健太はその一人。抜群のスピードを持ち味とするアタッカーは、戦術変更により一時期出場機会を失ったが、再びチャンスが巡ってきた。
果敢に突破を仕掛ける井上健太
控えとなっていた間、井上は「外から試合を見ることが増えたときに、チームに足りないところは何かを探し、自分ができることを考えた」と腐ることなく、矢印を自分に向けた。チームが目指す「ボールを保持するサッカー」は実現できているが、勝てないもどかしさを感じていた。「どのチームより技術で上回っているが怖さがなかった」。うまさと強さは別物と気づいた井上は、「相手の陣形をドリブルで壊すプレーをしなければいけない」と結論に至った。
17節の岡山戦から先発に復帰した井上は、「自分の武器であるスピードを生かして得点に絡むプレーがしたい。例え相手が対策を取っていても、強引にでも仕掛けたい」と果敢にドリブル突破を仕掛けた。攻める姿勢を貫き、18節秋田戦では今季初ゴールを決めたが浮かぬ表情だった。「勝ちたい思いが強くても、勝たなければ意味がない。どうにかしてチームを上向きにしたい」との決意に、大きな期待を寄せたい。
今季初ゴール後も笑顔はなかった
写真は全て大分フットボールクラブの提供
(柚野真也)