国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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県高校総体前特集 バレーボール女子(2) ベテラン監督が着任し、新生・国東がスタート
バレーボールの全国高校総体への出場をかけた県高校総体が、6月4日から3日間行われる。全試合3セットマッチのトーナメント方式となり、準決勝以降は勝ち上がった4チームによるリーグ戦で王者を決める。今回は男女とも例年と顔ぶれの変わった今大会のシード校を紹介するとともに、注目選手などを紹介する。
女子の第2回は、13日から始まる全九州選手権に出場する国東。
■昨年度の主な成績■
県高校新人大会 3位
春の高校バレー県予選 3位
県高校総体 3位
4月1日に国東に着任し、3年ぶりにバレーボールの指導にあたっている63歳のベテラン辻郁徳監督。就任して約2週間後の全九州総合選手権大会の県予選では、第2シードの臼杵に勝利して決勝に進出した。東九州龍谷に敗れはしたが、準優勝となり本戦の切符を勝ち取った。辻監督は「前任の監督のおかげ」と語ったが、随所に辻スタイルが見られた。
「選手との信頼関係があってこそ。わずかな練習期間しかなかったが僕の指導を信じてくれた」と辻監督。初日の練習では「短時間で大きな成果を得られる練習でなくてはならない」と話し、スポーツは習慣のゲームだからこそ、反復練習や連続練習が重要と説いた。選手は練習時間が短くなり不安を抱いたが、丁寧に説明して理解を深めた。指導に対して不満があれば「ダメと決して言わないが、できないとも言わせない」と、落としどころを探して気持ちよく練習ができる態勢を整えた。
全九州総合選手権大会県予選では2位となった
「攻撃はネットに向かって真っすぐ、ブロックが見えるように入る」などと数個の約束事だけを決めて臨んだ全九州総合選手権大会の県予選では、辻監督は試合内容よりも「選手と一体になれた」ことを喜び、選手は「細かいところまで意識してプレーするようになった」(藤本彩桜・3年)、「雰囲気がこれまで以上に明るくなった」(竹田麻祐・同)と変化を感じている。
徐々に辻カラーに染まりつつあるチームは、県高校総体では優勝を目標に掲げる。絶対王者として君臨する東九州龍谷の壁は高くて厚い。辻監督の哲学の一つに、「ある程度出来上がった選手よりも、勝敗への影響が大きい伸びしろのある選手を鍛える」というものがある。「国東には伸びしろのある選手しかいない」と言い切る辻監督が、選手と一丸となってワンランク上のチームに引き上げる。
新監督の下で再スタートを切る
(柚野真也)