
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
バスケットボールの夏の高校王者を決める全国高校総体(インターハイ)に向けて、県予選がおよそ1カ月後に控える。大会を前に3月の県高校新人大会で上位となった実力校の現在地を探った。
女子の第3回は、ここ3年は優勝から遠ざかっているものの、シード校として安定した力を発揮している藤蔭。4年ぶりのインターハイ出場を目指す。
■昨年度の主な成績■
県高校新人大会 ベスト4
全国高校選手権県予選 ベスト4
県高校総体 3位
県高校新人大会では、昨年の全国高校選手権県予選で敗戦した明豊とのシード決定戦に勝利して3位となり、南九州四県対抗選手権大会(南九)の出場権を獲得した。今年のチームの特徴は、ボールへの執着や最後の一秒まで足を止めない「粘りのバスケ」だ。芦川尚子監督は「アドバイスを吸収する能力が高く、タフなゲームを乗り越える負けん気の強さも持っている」と話す。特に県高校新人大会では、最後まで「粘りの姿勢」を崩さなかった。芦川監督も「あれほど踏ん張れるとは思っていなかった。敗戦でも、次につながる希望が持てた試合だった」と高く評価している。
全国を目前にして、ここ数年は上位校の壁を打ち破れず悔しい思いを続けているが、「試合のあとに『楽しかった』と言える選手ばかり。バスケができる喜びをコートで表現してくれれば、結果もついてくるはず」(芦川監督)と、試合を重ねるごとに成長を見せる選手たちに期待を寄せる。
タフなゲームを乗り越えるチームとなった藤蔭
中心となるのは平本咲羽(3年)。オフェンスではスピード感と広い視野から精度の高いセットプレーを展開。精神的支柱としての役割も果たすキャプテンだ。南九では「同じ得点パターンを何度も許してしまった。1対1のディフェンスを強化したい」と課題を見つけ、県高校総体までに仕上げる構えだ。また、2年生ながら主力として活躍する窪田千潤はパワフルなプレーでチームに貢献するが、「もっと体力をつけて、全員バスケで勝てるチームにしたい」と意気込む。
「もう一度全国へ」という思いはもちろんあるが、まずは個々が長所を伸ばし、自分たちらしいプレーを大切にする。「対外試合ができない中、チーム内の競争によって主力以外の能力も上がっている。県高校総体までにできる限り経験を重ねて対応力をつけたい」と芦川監督。伸びしろが大きい選手たちが、自分たちらしい「粘り」と「バスケを楽しむ気持ち」に加えて「自信」を確立したとき、最高の結果をもたらしそうだ。
粘りのバスケが浸透している
(黒木ゆか)
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