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大分トリニータ 勝者のメンタリティーを持つ伊東幸敏

大分トリニータ 勝者のメンタリティーを持つ伊東幸敏

 即戦力として今季から加入した右サイドバック(SB)の伊東幸敏。開幕戦前にけがをして出遅れたが、6節琉球戦で今季初出場・初先発でチームに今季初勝利をもたらした。そこからリーグ戦は5試合全てに先発出場し、チームは4勝1敗。伊東は「『もっている』と言えば『もっている』。結果が全てだと思っているので、何とでも言える」と胸を張る。下平隆宏監督は「ようやくSB本職とする選手が戻ってきた。まだまだできる。大胆なサッカーを見せてほしい」と期待する。

 

 その伊東のプレーを一言にすると、「とにかく勝つためのプレーに徹している」。本人いわく、「勝てば何でもいい」。勝負の機微に感覚をを研ぎ澄まし、守る時間帯なのか攻めるタイミングなのか、90分の試合を通して的確に状況判断する能力に長け、攻守両面で労を惜しまずにピッチを駆ける。得意のゴールを演出する良質なクロスはお披露目できていないが、「そろそろ見せたい」と力を込める。

 

伊東幸敏が先発に定着してチームは4勝1敗

 

 大分に来て、「サッカー人生で初めて戦術を学んでいる」と冗談混じりに話す。数cm単位のポジショニング、状況に応じた体の角度、守備ラインを押し上げるタイミングなどディテールにおよぶ徹底指導は新鮮で、本人が欲していたものだ。ただ、高校からプロになって常勝軍団の鹿島で9年、勝者のメンタリティーを植え付けられる中で学んだものも多く、大分に移籍して言葉やプレーで表せている。

 

 「まだまだ自分のプレーを出し切っていない」と話すように、周囲との連係を深めるには時間は必要だが、「勝って修正することで互いのプレーを早く理解できる」という。サッカーにおいて、「まず勝つこと」「チームを勝たせること」を出発点にしなければ、何もチームメートには伝わらないし、うまくいかない。伊東は「試合の流れや体の調子が良いときも悪いときもある。そのときにどうすれば勝つ確率が高まるかを考えている」

 大分に来て、慣れない長距離移動に悩まされている。「疲労感を感じているが試行錯誤しかない」。戦術も移動も受け入れ、そこから何ができるかを楽しんでいる。その思考には「勝つため」の哲学が詰まっている。

 

写真は全て大分フットボールクラブの提供

 

 結果が全てと言い切る

 

 

(柚野真也)