
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 情熱と理論が紡ぐ育成の現場から 柳ケ浦高校女子サッカー部監督・林和志(後編)
サッカー
「コンディションは徐々に上がっている」と本人が話すように、『助っ人外国人選手』として本領を発揮しつつある。ボール回しの練習では視野の広さと卓越した配球力の片鱗を見せ、試合では7節仙台戦で途中出場ながら、あいさつ代わりに豪快なFKを直接たたき込んだ。今季大分トリニータに途中加入したエドゥアルド・ネットが、チームの起爆剤となりそうだ。
開幕からカップ戦を含めた11試合、ここまで思うような結果が出ていない。「予想外の序盤戦」となったチームは、オフを2日挟み始動した。下平隆宏監督は「毎試合失点している守備の確認を徹底したい」と話し、10日から始まる9連戦に向けて「巻き返しの期間」と位置付けている。
その反撃のポイントとなるのが、攻守の要となるボランチ。これまではゲームメーカータイプの下田北斗と小林裕紀がスタメンを張ってきたが、そこにネットが加われば戦い方の幅が広がりそうだ。足下の技術と球際の強さを兼ね備えたレフティーは、最終ラインの前でスペースを埋め、ビルドアップの場面では柔軟にポジションを変えながら攻守の中継地点となる。中盤の底から攻撃のスイッチとなる縦パスを入れてギアチェンジができるネットのことを、下田は「独特のリズムがあり、ブラジル人特有の意外性のあるプレーが多く、チームのリズムをつくる」と評する。
コンディションは上向きのエドゥアルド・ネット
チームの課題である守備への貢献は未知数だが、185cmの上背を生かした空中戦で存在感を発揮し、ロングボールの競り合いではアドバンテージが握れそう。また、川崎や名古屋でプレーした経験があり、コミュニケーションの部分の不安はない。本人は運動量不足を自覚しており、補うように精力的に声を出し、練習からコーチングで周囲のポジションバランスを整えていた。
「チームの勝利に貢献するために来た」。そう語るネットのモチベーションは高い。チームにポジティブな変化と新しい風を吹き込んでくれそうだ。
チームの勝利に貢献したいと語った
(柚野真也)
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