昨年の全国高校ラグビーフットボール大会県予選で抽選の末、花園出場を逃すという波乱に見舞われた大分東明。悔し涙を飲んだあの日から、選手たちは原点に立ち返り、勝利に必要なマインドを手に入れるために努力してきた。２月の県高校新人大会、九州大会での快進撃はその成果に他ならない。

　そんな新チームをけん引するのが、キャプテンの浦山丈（２年)。体を張ったプレーが持ち味で、口より行動で語るタイプ。1年生の頃からセンターとして活躍してきた。白田誠明監督は「プレーの面では申し分ない。精神的には成長途中だと感じる部分もあるが、初めから100点の選手はいない。立場がその人をつくる」と期待を寄せる。

　キャプテンの重責を背負うことで、責任感が増し、覚悟が芽生えたという浦山。自身も成長しつつ、悔しさを知る仲間と共に新たな歴史を刻もうとしている。

Q：キャプテンに選ばれた経緯は？

　全学年での話し合いで決まりました。性格的にキャプテンは向いていないと思っていたので、選ばれた当初は正直、戸惑いました。実際、最初はうまくまとめることができずイライラしたこともありましたが、(前キャプテンの)馬越さんから「考えすぎないように」とアドバイスをもらい、気が楽になりました。今は気持ちを切り替え、いろんな意味で「変わるチャンス」だと捉えています。支えてくれるチームメートと共に成長していきたいです。

Q：キャプテンとして心掛けていることは？

　「周りをしっかり見ること」「声掛け」「冷静さを失わない」です。以前は感情的になることが多かったのですが、少しずつコントロールできるようになりました。練習後のチームトークの時間を大切にしています。特定の人だけが話すのではなく、全員で意見を交換し、課題、やるべきことを共有していきたいと思っています。

１年生の頃から主力として出場している

Q：新チームの手応えは？

　県高校新人大会と九州大会で勝つことができ、周りからは「圧勝だったね」と言われます。でも自分から見れば、まだまだできていない部分の方が多い。試合では、ふがいないミスから、チームの持ち味であるテンポの速い展開ラグビーが崩れてしまったことが何度もありました。試合の結果に甘えず、油断しないこと、勘違いしないことが大切だと考えています。

Q：どんなプレーでチームの勝利に貢献したいですか

　ディフェンスもアタックも自分から前に出て、チームの士気を上げるようなプレーがしたいです。東明ラグビーのモットーである「エンジョイラグビー」の雰囲気をつくっていくのもキャプテンの役目だと思っています。

Q：最後に、今後の意気込みを

　全国での目標はベスト8。卒業した先輩に目標を達成するところを見せたいです。時間が限られているので、一人一人が何をするべきなのかを意識して練習に取り組んでいます。あと、(抽選で花園出場を逃した後)白田監督から「運も味方につけよう」と言われたことが心に残っています。そのために、あいさつや勉強など、生活面から見直しています。

キャプテンとしてコミュニケーションを大事にしている

（甲斐理恵）