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大分トリニータ ハイレベルな対人守備とフィードでチームの軸となる坂圭祐

大分トリニータ ハイレベルな対人守備とフィードでチームの軸となる坂圭祐

 今季から副キャプテンに就任した坂圭祐は、今季のチームの軸となる選手のひとりだ。昨季はけがの影響もあり、18試合の出場にとどまった。インパクトを残せず、不完全燃焼のシーズンとなったが、その能力はさびついていない。坂は今季の目標を「1年間通して全試合に出る。副キャプテンとしてチームを引っ張る」と掲げる。新型コロナウイルスの影響で開幕戦が中止となり、今週末の第2節が仕切り直しのスタートとなる。他チームより遅れた“開幕戦”に向けて「コンディションは試合にならないと分からないが、練習では悪くはなかった。サッカーができる喜びを感じている」と話す。

 

 彼を語るうえで欠かせないのは、やはり対人守備である。ディフェンダーとして174cmは小柄だが、持ち前のフィジカルの強さでカバーし、相手FWに体をぶつける“うまさ”も持ち合わせている。他にも、高精度のフィードやセットプレー時の攻撃参加など、攻撃面で貢献できるのも見逃せないポイントだ。

 

今季は全試合出場を目指す坂圭祐

 

 今季は監督が代わり、システムが変わる。ボールを保持する時間は昨季より増えそうだが、坂が備える能力はチーム力を一段押し上げる可能性を秘めている。期待したいのは、前述したとおり正確なロングフィードで攻撃の選択肢を広げること。昨季までは、最終ラインがボールを持てば、まずはボランチやサイドの選手にショートパスを出した。パスサッカーを志向している以上、それを徹底するのは悪くはなかったが、こだわりが強過ぎて、手詰まりになった時の打開策を持っていないように感じた。

 

 坂が得意とするロングフィードは、その解決策のひとつとなりそうだ。その一本によって前線に起点を作り、最終ラインが上がればパスサッカーはより展開しやすくなる。GKを含めた最終ラインから攻撃の組み立てを重視する下平隆宏監督のサッカーにおいて、坂の出来は今季のポイントとなりそうだ。

 

今季初の公式戦に向けて「チームの雰囲気は悪くない」と語った 

 

(柚野真也)